ギターのバレーコードが上手く弾けないと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
もちろん、ギター初心者の最初の壁ともいえるバレーコードですが、順序だてて練習をすれば必ずひけるようになりますので焦らなくても大丈夫です。
今回は、バレーコードの押さえ方やコツなどについて解説していきます。
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目次
ギターのバレーコードとは
バレーコードとは、一本の指で同フレット上の複数の弦を同時に押弦するコードのことです。(FコードやBコードですね)
また、似たようなギター用語「セーハ」がありますが、バレーコードとセーハコードは同じ意味で、英語「バレー(barre)」とスペイン語「セーハ(ceja)」の呼び方の違いだけです。
ギター初心者の最初の壁としても「Fコード」が難しいということで有名ですが、コツをつかめば弾けるようになりますので、バレーコードを攻略していきましょう。
ギターのバレーコードの押さえ方のコツ
ギターのバレーコードの押さえ方のコツをいくつかご紹介します。
女性でもバレーコードを弾けることを考えると、セーハするときに握力は不要ですので、指や体が正しく使えれていれば誰でも押さえることができます。
ギターの構え方の基本を確認する
まず、ギターを構える時はネックの角度を「体の正面からみて30度~45度の間あたり」にするのがコツです。
人によって手の大きさや腕の長さは異なり微調整は必要ですが、手首を返した時の角度が「腕からみて90度~135度の間あたり」が力が入りやすく押さえやすいフォームになります。
ギターのヘッド部分が下がりすぎてしまうと、無理やり左手の手首を返さないといけない状態となってしまい、セーハが押さえづらくなりますのでネックの角度に注意しましょう。
また、体に対してネックを手前にひきよせすぎてしまうと、左肘が窮屈になり力が入りづらくなりますので、ネックは「体の真上から見て30度~45度の間あたり」に構えましょう。
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人差し指はアーチ型になるように押さえる
人差し指はアーチ型になるように押さえるのが少ない力で押さえるコツです。
人間の指の筋肉や関節の構造上、指が真っすぐに伸びている状態よりも、少し関節が曲がっているほうが力が入れやすく、指が開きやすくなります。
指に力を入れて弦を押さえているのにうまく音が鳴らないという場合は、左手の形を確認しましょう。
人差し指の側面で押さえる
人差し指でセーハをするときは、人差し指の側面で押さえるのがコツです。
「側面」を具体的に言うと、「人差し指の親指に近い方で関節のシワが終わる部分」のことで、この側面を使って押さえると綺麗にバレーコードを鳴らせます。
指には関節があり、第一関節・第二関節・指の付け根の溝に弦がはまってしまい、セーハで上手く音が鳴らないということが原因になっている可能性があります。
親指の位置はネック裏側の真ん中辺りで押さえる
バレーコードを押さえる時の親指の位置は、親指をネック裏側の中央付近ですが、具体的には「ネックの真ん中辺りもしくは少し上」に添えるのがコツです。
また、親指は中指の向かい側の位置(もしくは人差し指と中指の間あたり)になるように添えると、力が入りやすくフォームが安定しやすくなります。
逆に、親指がネックの真ん中より少し下あたりで押さえてしまうと、力が入れにくい状態で指も開きにくいのでフォームが安定しない、といった悪循環になりますので注意しましょう。
セーハの指は鳴らす弦だけに集中する
セーハの指は鳴らす弦だけをに集中して弦を押さえるのがコツです。
例えば、Fコードをセーハで押さえて鳴らす音は「6弦・2弦・1弦」のみですので、中指・薬指・小指で押弦して鳴らす「5弦・4弦・3弦」は気にせず、人差し指は「6弦・2弦・1弦」に集中します。
Bコードでセーハで押さえて鳴らす音は「5弦・1弦」のみですので、薬指(または中指・薬指・小指)で押弦して鳴らす「4弦・3弦・2弦」は気にせず、人差し指は「5弦・1弦」に集中します。
弦高の高さを調整する
ギターの弦高が高すぎる場合はセーハして押さえる力がより必要になるため、バレーコードを練習するときは弦を少ない力で押さえることができる低めの弦高がおすすめです。
ただ、ギターの弦高は音に影響を与える部分でもあり、ギタリストの音の好みや演奏スタイルによっては、張りのある音を好んで高めの弦高で弾くギタリストもいます。
弦高が「エレキギター:6弦側2.2mm/1弦側1.8mm」「アコースティックギター:6弦側2.5㎜、1弦側2.0mm」より高い場合は弦高調整することをおすすめします。
弦高調整は自分でも簡単にできますが、弦高調整のやり方がわからない人は、ギターを購入した楽器店に相談してみましょう。
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ギターのバレーコードの基本フォームは4種類
ギターのバレーコードで初心者が覚えるべき基本フォームは4種類あります。
6弦ルートのバレーコード(メジャーコード)
まず6弦ルートのバレーコードでメジャーコードのフォームです。
ここではFコードを例とした押さえ方をご紹介します。
Fコード
- 1弦:1フレット(人差し指)
- 2弦:1フレット(人差し指)
- 3弦:2フレット(中指)
- 4弦:3フレット(小指)
- 5弦:3フレット(薬指)
- 6弦:1フレット(人差し指)
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6弦ルートのバレーコード(マイナーコード)
次に6弦ルートのバレーコードでマイナーコードのフォームです。
ここではFmコードを例とした押さえ方ご紹介しますが、6弦ルートのバレーコードでメジャーコードのフォームから中指を外すだけで、マイナーコードのフォームになります。
Fmコード
- 1弦:1フレット(人差し指)
- 2弦:1フレット(人差し指)
- 3弦:1フレット(人差し指)
- 4弦:3フレット(小指)
- 5弦:3フレット(薬指)
- 6弦:1フレット(人差し指)
5弦ルートのバレーコード(メジャーコード)
次に5弦ルートのバレーコードでメジャーコードのフォームです。
ここではBコードを例とした押さえ方をご紹介します。
Bコード
- 1弦:2フレット(人差し指)
- 2弦:4フレット(薬指)
- 3弦:4フレット(薬指)
- 4弦:4フレット(薬指)
- 5弦:2フレット(人差し指)
- 6弦:ミュート
また、上記のように中指・薬指・小指を使ったフォームもよく使われています。
Bコード
- 1弦:2フレット(人差し指)
- 2弦:4フレット(小指)
- 3弦:4フレット(薬指)
- 4弦:4フレット(中指)
- 5弦:2フレット(人差し指)
- 6弦:ミュート
5弦ルートのバレーコード(マイナーコード)
次に5弦ルートのバレーコードでマイナーコードのフォームです。
ここではBmコードを例とした押さえ方ご紹介しますが、5弦ルートのバレーコードでメジャーコードの押さえる位置から、2弦を1フレット下げればマイナーコードのフォームになります。
また、手の形は6弦ルートのバレーコードでメジャーコードのフォームと同じ形から1弦ずつ下にずらすだけです。
Bmコード
- 1弦:2フレット(人差し指)
- 2弦:3フレット(中指)
- 3弦:4フレット(小指)
- 4弦:4フレット(薬指)
- 5弦:2フレット(人差し指)
- 6弦:ミュート
ギターのバレーコードの覚え方
ギターのバレーコードの覚え方はとても簡単です。
6弦ルート・5弦ルートのバレーコードのフォームをそのままスライドして移動させていくだけで様々なコードになります。
ギターの指版の音の位置を覚えるだけで人差し指のルート音がコード名になり、手の形によってメジャーコードかマイナーコードになります。
6弦ルートのバレーコードを移動させた場合
6弦ルートのFコードをバレーコードで押さえたまま、人差し指の位置が1フレットから3フレットになるように移動させます。
そうすると人差し指の6弦のルート音が「G(ソ)」になり、手の形はメジャーコードなので「Gコード」になります。
5弦ルートのバレーコードを移動させた場合
5弦ルートのBコードをバレーコードで押さえたまま、人差し指の位置が2フレットから5フレットになるように移動させます。
そうすると人差し指の5弦のルート音が「D(レ)」になり、手の形はメジャーコードなので「Dコード」になります。
ギターのバレーコードの基礎練習の方法
ギターのバレーコードの基礎練習の方法をご紹介します。
STEP1:音を1音ずつ鳴らす
バレーコードを押さえていきなりストロークをするのではなく、正しく押弦できているかバレーコードのフォームを確認していきます。
バレコードを押さえて6弦から1弦まで順々に1本ずつ弦を鳴らしていき、音が鳴らない弦がないかを1本ずつチェックしていきます。
途中で鳴らない弦を見つけた場合は、御台手のフォームを確認して微調整を行い、また音が鳴らない弦がないかを1本ずつチェックしていき、これを繰り返していきます。
STEP2:バレーコードのフォームを維持する
6弦から1弦まで全ての弦の音が鳴るようになれば、そのまま左手のフォームを1分ほど維持します。
最初は手が痛いかもしれませんが、弦を押さえることを日々繰り返していくうちに手の皮が厚くなっていきますので、次第に痛いと思うことがなくなっていきます。
また、1分もバレーコードを押さえていると疲れるかもしれませんが、筋肉の使い方が身体に馴染んでくれば疲れることも少なくなっていきます。
1分ほどコードフォームを維持した後は手をネックから手を放して左手を休ませます。
STEP3:バレーコードのフォームを素早く作る
左手を休ませた後は、再びバレーコードを押さえていきます。
コードチェンジの練習にもなりますので、バレーコードを押さえる時にできるだけ素早く押さえていきます。
再び、STEP1の「音を1音ずつ鳴らす」に戻り、STEP1からSTEP3を繰り返します。
STEP4:バレーコードの全ての音がきれいに鳴らせれば完成
STEP1からSTEP3を繰り返してバレーコードを素早く押さえられて、1発で6弦から1弦までの全ての音がきれいに鳴らせれば完成です。
このように順々にバレーコードを押さえる練習をしていけば、確実にバレーコードを押さえることができますし、いつのまにかコードチェンジも素早くできるようになっているはずです。
また、1分ほどコードフォームを維持することで、普段使わない筋肉に刺激を与えて神経が発達するので左手が動かしやすくなりますし、少し握力もついて疲れることが少なくなります。
ギターのバレーコードが上手くできない時に見直すポイント
ギターのバレーコードが上手くできない時に見直すポイントをいくつかご紹介します。
立って弾くとバレーコードが弾けない
立って弾くとバレーコードが弾けない場合は、ギターの構え方が原因になっていることが考えられます。
ストラップを長くしてギターを低く構えていた場合、左手の手首が上手く返せないことで力が入りづらく、バレーコードが上手く押さえられていない場合が考えられます。
また、ネックの角度が地面に対して水平になっていた場合も同様です。
ストラップの長さは座って弾くときと同じ感覚で弾けるような高さにギターがくるようにし、ギターを構える時はネックの角度を「体の正面からみて30度~45度の間あたり」になっているかを確認しましょう。
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バレーコードを押さえる時に指が開かない
バレーコードを押さえるときに指が開かないのでフレットの近くを押さえられないと悩んでいる場合もあるかと思います。
指を開かせるようにするには、運指やコードを押さえる練習を繰り返して、少しずつ指が広がるようにしていくしかありません。
また、ギターを弾く前には手首や指のストレッチをしたり、指を開閉する練習などをして手や指の柔軟性を鍛えると効果的です。
まとめ
ギターのバレーコードの押さえ方についてを解説してきましたが、いかがだったでしょうか。
カポタストなどの道具を使ったり、コードを省略して弾いても問題ありませが、バレーコードを弾けるようになれば演奏できる幅が格段に広がります。
苦手意識を持たずに、焦らず地道に日々の練習をしていきましょう。
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