ギター初心者でスライドとグリッサンド(グリス)のテクニックの違いがわからないという方も多いのではないでしょうか。
有名ギタリストが「ギュワーン」とグリッサンドさせてギターを弾き始めたときに、ただのグリッサンド一つとってもかっこいいものです。
そこで今回はグリッサンド(グリス)のやり方やコツ、練習フレーズなどを解説していき、グリッサンド(グリス)がうまくできない時に陥りやすい症状などの注意点をまとめました。
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目次
ギターのグリッサンド(グリス)とは
ギターの「グリッサンド(glissando)」とは、押弦して鳴らした音が途切れることなく指をすべらせて音程を上げ下げする演奏方法のことで、略称で「グリス(gliss)」とも呼ばれています。
よく似たテクニックで「スライド」がありますが、スライドとグリッサンド(グリス)には決定的な意味の違いがあります。
スライドは始点と終点までの2音が決まっていますが、グリッサンド(グリス)は始点か終点のどちらかの音が決まっていない、もしくは始点と終点のどちらも決まっていない場合という意味の違いがあります。
また、グリッサンドで音程を下げる場合は「グリスダウン」、音程を上げる場合は「グリスアップ」と言います。
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ギターのグリッサンド(グリス)の左手のやり方
ギターのグリッサンド(グリス)の左手のやり方についてご紹介します。
グリッサンドの基本的なパターンとしては大きく3通りあります。
グリスアップのやり方
グリスアップのやり方は、低音から高音に向かって指を滑らせて音程を上げていきます。
出発点が決まっている場合
グリスアップで出発点が決まっている場合は、まず目的の音を押弦してからピッキングして音を鳴らします。
その後、鳴らした音が途切れないように高音に向かって指を滑らせていき、音程をあげていく途中で徐々に指を浮かせて音を消していきます。
終点が決まっている場合
グリスアップで終点が決まっている場合は、まず終点よりも音程が低い位置から目的の音に向かって指を滑らせていきながらピッキングして音を鳴らします。
その後、鳴らした音が途切れないように目的の音に到達したところで指を止めます。
グリスダウンのやり方
グリスダウンのやり方は、高音から低音に向かって指を滑らせて音程を下げていきます。
出発点が決まっている場合
グリスダウンで出発点が決まっている場合は、まず目的の音を押弦してからピッキングして音を鳴らします。
その後、鳴らした音が途切れないように低音に向かって指を滑らせていき、音程を下げていく途中で徐々に指を浮かせて音を消していきます。
終点が決まっている場合
グリスダウンで終点が決まっている場合は、まず終点よりも音程が高い位置から目的の音に向かって指を滑らせていきながらピッキングして音を鳴らします。
その後、鳴らした音が途切れないように目的の音に到達したところで指を止めます。
グリスアップ&グリスダウンの組み合わせのやり方
ギター演奏でよくある「ギュイーン」という音は、グリスアップとグリスダウンを組み合わせて行います。
始点と終点が決まっていない場合なので、まず音程が低い位置から高音に向かって指を滑らせていきながらピッキングして音を鳴らします。
その後、適当な位置で音が途切れないように低音に向かって指を滑らせていき、音程を下げていく途中で徐々に指を浮かせて音を消していきます。
ギターのグリッサンド(グリス)の練習フレーズ
ギターのグリッサンド(グリス)の練習フレーズを教則本などにも掲載されているような簡単なパターンでいくつかご用意しました。
楽譜やTAB譜(タブ譜)上でグリッサンド(グリス)は「g」「gliss.」という記号で表記されています。
また、始まりの音が決まっていない場合は「×(バツ)」、上昇するときは「/(下から上向きの棒線)」、下降するときは「\(上から下向きの棒線)」を使った記号で表記されています。
練習フレーズ1:単音メロディーで行うグリッサンド
まずは単音メロディーで行うグリッサンドを使ったフレーズです。
タブ譜は「蛍の光」のメロディーですが、普通に弾いてしまうと単調になってしまいますので、グリスアップとグリスダウンを使ってメロディアスになるように弾いてみましょう。
グリッサンドするときのスピードやタイミングが心地よくなるように試行錯誤していきましょう。
練習フレーズ2:パワーコードで行うグリッサンド
次のパワーコードで行うグリッサンドのフレーズです。
フレーズの初めに「グリッサンド」で「ギュワーン」と入るところは、高音から低音までどこの部分を使うかを意識し、如何に「かっこいい」と思わせられるか試行錯誤してみましょう。
また、Amコードを2分音符で表記されていますが、グリスダウンのスピードを速くするか遅くするか、タイミングを速くするか遅くするかでも、かなりニュアンスが異なりますので、いろいろ試してみましょう。
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ギターのグリッサンド(グリス)が上手くできないときに見直すポイント
ギターのグリッサンド(グリス)が上手くできない時に見直すポイントをいくつかご紹介します。
グリッサンドで指が弦に引っかかる
グリッサンドで指が引っかかる場合は弦が錆びている場合が多いです。
弦が錆びているとグリッサンドさせたときに指が引っかかり、思ったようにグリッサンドできず滑らないといった原因になりますし、弦が錆びていることによって指が切れることがあります。
弦が錆びる前に弦交換をする必要がありますが、代わりに錆びにくいコーティング弦を使用するか、フィンガーイーズという指板潤滑剤を弦に吹きかけることで指の滑りが良くするなどがおすすめです。
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グリッサンドで音程が滑らかに変わらない
グリッサンドで音程が滑らかに変わらない場合は、グリッサンドのスピードが遅すぎる場合が多いです。
上記のように指版を滑らせている指がカクカクしたり止まってしまっていたりすると、各フレットの音がはっきりと鳴りすぎてしまい、滑らかなグリッサンドになりません。
指版を滑らせている指は止まらずにスムーズにグリッサンドすることを意識しましょう。
まとめ
ギターのグリッサンド(グリス)のやり方についてを解説してきましたが、いかがだったでしょうか。
グリッサンドはギターフレーズに程よく取り入れることで、単調なフレーズに様々なニュアンスを与えることができます。
グリッサンドのスピード、タイミング、音の長さ、音程感など、とても奥が深いテクニックなので、この機会にぜひのグリッサンド(グリス)にこだわってみてください。
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