ギターのブリッジミュートがなかなか上手くできないと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
特にギター初心者で「ブリッジミュートが速くできない」、「ブリッジミュートが続くフレーズが疲れる」といった悩みも多く難しい印象を持たれているかもしれませんが、やり方さえわかれば自然と弾けるようになってきます。
そこで今回は、ブリッジミュートのやり方やコツ、練習フレーズなどを解説していき、ブリッジミュートがうまくできない時に陥りやすい症状などの注意点をまとめました。
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ギターのブリッジミュートとは
ギターのブリッジミュートとは、おもに低音を強調した太めで柔らかめなサウンドを出すために用いられる演奏方法です。
似たようなギター用語である「ミュート」は「不要弦のミュート(いらない音が出ないようにする)」という意味で、「ブリッジミュート」は「弦振動を抑制した独特の音にする」という意味です。
ギターのブリッジのサドル部分より少しネック側の弦の上に右手側面を乗せて、右手が弦に触れさせることにより完全に音が消えない程度に出音を抑えます。
弦振動が抑えられるため低音が強調される仕組みです。
アンプやエフェクターで音作りをして歪ませたドライブサウンドと相性が良く、ロックやメタルなどでは定番のギターテクニックです。
また、ドライブサウンドだけでなくクリーンサウンドやクランチサウンドでも使われており、アコギなどでも使われており、幅広いフレーズで活用されています。
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ギターのブリッジミュートの右手のやり方
ギターのブリッジミュートの右手のやり方のコツは大きく5つあります。
ブリッジミュートは右手の手刀部分を使う
ブリッジミュートを行うときは右手の手刀部分を使います。
手首付近でミュートをしている人を稀にみますが、手首付近でブリッジミュートをしてしまうと、肘から先の回転もほとんど使えないので、手首の反復運動だけになってしまいます。
また、手首部分を使ってブリッジミュートをした場合、ミュート範囲が狭いため、弾かない弦のミュートがしづらくなります。
そのため、手刀部分を使ったブリッジミュートにすることで、手首のスナップを効かせた右手の振りを阻害することなく、ミュート範囲も広いので余弦ミュートもしやすくなります。
ブリッジミュートの位置はブリッジサドルから「0~2cm」ぐらい
ブリッジミュートの位置はブリッジサドルから「0~2cm」ぐらいです。
ブリッジミュートの位置がネック側に寄ってしまうと「音程がシャープ」してしまいますし、「ミュートが強すぎる」状態になりやすく、「低音を強調した太く重量感のあるサウンド効果」が得られづらくなります。
そのため、ブリッジミュートの位置はブリッジサドルから「0~2cm」ぐらい、もしくはブリッジサドルから少しネック側、と覚えておきましょう。
ブリッジサドルに右手を乗せる力加減は「そっと置く」
ブリッジサドルに右手を乗せる力加減は「そっと置く」という感覚です。
例えば、テーブルなどに無意識に手を置いているぐらい、本来の右手の重さのみが乗っているような状態です。
ブリッジミュートしている右手に力が入りすぎていると、ミュートが強すぎて「音が完全に抑えられてしまう」状態になり、音が潰れてしまいます。
逆に、ブリッジミュートしている右手に力を入れなさすぎると、ミュートが弱すぎてブリッジミュート特有の「ズンズン」としたサウンドになりません。
そのため、ブリッジサドルに右手を乗せる場合は「そっと置く」ぐらいの力加減を意識することが大切です。
右手のピッキングフォームはピックを持った指以外は伸ばす
ブリッジミュートの右手のピッキングフォームはピックを持った指以外は伸ばすようにします。
ただ、指を「ピン」と伸ばしてしまうと手の甲や前腕に力が入ってしまい、速くブリッジミュートすることはできず、疲れる原因となります。
正しいブリッジミュートのピッキングフォームは、手についた水を振り払うようにして右手を脱力させます。
手についた水を振り払うようにして、脱力した右手にピックを持つようにすることです。
ピッキングするピックの角度は「平行気味の順アングル」
ブリッジミュートのピッキングするピックの角度は「平行気味の順アングル」が基本です。
ブリッジミュートの音は「弦振動が抑えられるため低音が強調される仕組み」なので、いわゆる「コモらせている」ような音であり、抜けない音になりがちです。
そこにピックの擦れる音をやや大きめに出すことで音の輪郭がボヤることを補っていますので、アタック音が重要になってきます。
そのため、ブリッジミュート時のピックのアングルは、通常より少し順アングルにするのがおすすめです。
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ギターのブリッジミュートの練習フレーズ
ギターのブリッジミュートの練習フレーズを教則本などにも掲載されているような簡単なパターンでいくつかご用意しました。
過剰に歪ませた音作りで練習してしまうと、ミュートに力が入りすぎていたりしても「ズンズン」とした音はある程度でてしまいます。
練習するときはゲインなど歪ませすぎないようにして練習するのがブリッジミュートが上達するポイントです。
練習フレーズ1:初心者向け8分音符のブリッジミュート
まずはギター初心者向けの8分音符のブリッジミュートです。
全てダウンピッキングで弾く基本フレーズですが、ダウンピッキングの強さを揃えるということ、リズムを安定させることを意識して弾きましょう。
練習フレーズ2:16分音符でオルタネイトピッキングで弾くブリッジミュート
次に16分音符でオルタネイトピッキングで弾くブリッジミュートのフレーズです。
16分音符のアップピッキングでブリッジミュートを行う時にリズムが崩れたり、ミュート音の強さが変わらないようにを意識して弾きましょう。
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練習フレーズ3:ブリッジミュートを使ったアルペジオ
次にブリッジミュートを使ったアルペジオフレーフレーズです。
こちらもロックやポップスなどで使われる定番フレーズで、ブリッジミュートと通常のピッキングの切り替えを意識して弾きましょう。
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練習フレーズ4:ブリッジミュートとストロークを合わせたフレーズ
次にブリッジミュートとストロークを合わせたフレーズです。
4分音符でストロークをした時も空振りで裏拍を意識することでリズムを安定させることがコツです。
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練習フレーズ5:高音弦を使ったブリッジミュート
次に高音弦を使ったブリッジミュートのフレーズです。
3弦はブリッジミュートで弾き、2弦を弾き時はブリッジから右手を浮かせて、フレーズを目立たせることがコツです。
また、1弦は左手でしっかりとミュートをしておきましょう。
練習フレーズ6:高速ダウンピッキングで行うブリッジミュート
最後に高速ダウンピッキングで行うブリッジミュートのフレーズです。
メタリカの「MASTER OF PUPPETS」という高速ダウンピッキングで有名な曲のリフを抜粋しています。
原曲のテンポは「BPM212」ですが、最初はテンポは「BPM120」ぐらいのゆっくりしたテンポで練習をしていき、徐々にテンポを速くしていきましょう。
ギターのブリッジミュートが上手くできない時に見直すポイント
ギターのブリッジミュートでうまくできない時に陥りがちな原因がいくつかあります。
ブリッジミュートが速くできない
ブリッジミュートが速くできない原因は、「ブリッジに置いている右手に力が入りすぎている」場合が考えられます。
例えば、右手で弦を強く押さえてしまっているような状態の場合は、ブリッジに「そっと置く」ということを意識して右手を脱力させましょう。
また、右手のミュートしている範囲が高音弦まで広い場合も、ピッキング動作の妨げになってブリッジミュートが速くできない原因になっている場合があります。
右手の手刀部分でミュートする範囲は、ピッキングで鳴らしたい弦の上下あたりをミュートし、高音弦側などは左手でミュートをするのがコツです。
連続したブリッジミュートを弾いていると疲れる
ブリッジミュートを弾いていると疲れるのは「ピッキングに無駄な力が入っている」場合が考えられます。
手首を固定して手首を支点にしてしまうとピックを押し込むようなピッキングになるので、ブリッジミュートが速くできないのはもちろん、前腕の筋肉を余計に使うので疲れる原因になります。
オルタネイトピッキングで弾くときと同じように手首の回転を柔らかく使うのがコツです。
ブリッジミュートは「たまたま右手の手刀部分が触れている」ぐらいの感覚になればベストです。
まとめ
ギターのブリッジミュートの弾き方と練習方法について初心者編を解説してきましたが、いかがだったでしょうか。
ギターのブリッジミュートはできるようになると、単純なコードストロークにも変化をつけることができ、ブリッジミュートの強さをコントロールすることでギターソロなどでアクセントをつけたりなど応用することができます。
しっかりとブリッジミュートの基礎を身に着けることで、ギターの演奏の幅を広げることができますので、ぜひチャレンジしてみてください。
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