ギターをバイオリンやチェロのようにロングサスティーンで美しい音は魅力的ですよね。
ただ、バイオリンやチェロなどの弓を使ってギターを弾く「弓弾き」である「ボウイング奏法」のやり方を知りたいという方も多いのではないでしょうか。
今回は、ボウイング奏法のやり方のコツを解説していき、ボウイング奏法が上手くできない時に陥りやすい症状などの注意点をまとめました。
あわせて読みたい
目次
ギターのボウイング奏法とは
ギターのボウイング奏法とは、バイオリンやチェロを弾くときに使用する「弓」でエレキギターの弦をこすることで音を出す特殊な演奏方法で、英語で「Bowed guitar」と表記されています。
バイオリンやチェロと似たような音を得られるわけではありませんが、通常の演奏方法では得られない独特の音響効果を得ることができます。
ボウイウング奏法が有名になったのは、1966年の同時期にイギリスのロックバンド「クリエイション」のギタリスト「エディ・フィリップス」と「レッド・ツェッペリン」のギタリスト「ジミー・ペイジ」が使用してからです。
また、アイスランドの「シガー・ロス (Sigur Rós)」というのポストロックバンドのギタリストがボーカル兼ギタリスト「ヨンシー」がギターのボウイング奏法を前面に押し出した演奏をして注目を集めました。
ボウイング奏法はパフォーマンス的音響効果としてはもちろん、ディレイやリバーブなどのエフェクトと組み合わせて幻想的な効果音を奏でることができるなど、工夫次第で様々な可能性を秘めている演奏方法です。
ギターのボウイング奏法のやり方
ギターのボウイング奏法のコツをいくつかご紹介します。
擦弦楽器用の弓を使用する
まず、ボウイング奏法をするための弓を用意しますが、バイオリンやチェロなどの擦弦楽器用の弓を選べば問題ありません。
擦弦楽器用の弓はギター演奏用に作られてはいない物なので、余程繊細に弾かないとすぐに弓が駄目になってしまうということは留意しておきましょう。
弓毛に松脂(まつやに)を塗る
新品の弓はそのまま演奏しても音は出ません。
弓毛のキューティクルの凸凹に松脂を塗ることにより、細かいギザギザが無数にでき、そのギザギザの一つ一つが弦を弾き、無数の音を出し続けるという仕組みです。
弓を弦に当ててスムーズに動かす
あとは弓を弦に当ててスムーズに動かします。
弦にかかる弓の圧力を均等にして弓をスムーズに動かすことにより、柔らかく美しい音を奏でることができます。
また、弓をゆっくり動かしてボウイングしたり、バイオリンのように小刻みに動かしてトレモロを表現してみたり、あるいは、和音を弾いてコードトーンを出すこともできます。
ギターのボウイング奏法が上手くできないときに見直すポイント
ギターのボウイング奏法が上手くできない時に陥りがちなポイントをいくつかまとめました。
1つの弦だけを弓で当てることができない
1つの弦だけを弓で当てることができない場合はギターの形状が原因になっている場合があります。
ギターの指版は「ラウンド指板」と「フラット指版」があり、「フラット指版」のように完全に平たくなっている場合は1つの弦だけを弓で当てることができません。
そのため、1つの弦だけを弓で当てる場合は、バイオリンのように指板の表面が円柱の一部を切ったように丸くなっている「ラウンド指板」になっている必要があります。
弓で弾いても綺麗な音が鳴らない
弓で弾いても綺麗な音が鳴らない場合は、弓で弾く力加減が原因になっている場合があります。
ただ軽く撫でただけの場合は「ヒーッ!」と上滑りするだけで弦がちゃんと鳴ってくれませんし、反対に力で押え付けると「グギーッ!」と弦を引っかけすぎて汚い音になってしまいます。
バイオリンと同様ですが、その辺のちょうどいい力加減は練習しながら美しい音が鳴るポイントを掴んでいくしかありません。
まとめ
ギターのボウイング奏法のやり方ついて解説してきましたが、いかがだったでしょうか。
通常の演奏方法では得られない独特の音色を奏でることができますし、まだまだギターのボウイング奏法を駆使しているギタリストは少ないので目立つでしょう。
アイデア次第では様々な可能性を秘めている演奏方法でもありますので、ぜひチャレンジしてみてください。
あわせて読みたい