ギター1本でバンドアンサンブルを奏でることができるギャロッピング奏法は憧れますよね。
ただ、ギター初心者は一人で「ドラム、ベース、ギター、メロディー」を奏でる演奏方法は難しいという印象を持たれている方も多いかと思います。
そこで今回はギャロッピング奏法のやり方やコツ、練習フレーズなどを解説していき、ギャロッピング奏法がうまくできない時に陥りやすい症状などの注意点をまとめました。
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ギターのギャロッピング奏法とは
ギターのギャロッピング奏法とは、右手で4弦から6弦(ベース担当)をミュートして親指で弾きながら、1弦から3弦(メロディ担当)を人差し指と中指でメロディとコード弾く演奏方法です。
疾走感があることから「馬の走る音」という意味の「gallop(ギャロップ)」から名付けられています。
ロカビリーやカントリー、ブルースなどのジャンルで使用されることが多い演奏方法であり、「ベース音」「和音」「リズム」「メロディ」を同時に奏でることで、バンドアンサンブルのように奏でることができます。
ギャロッピング奏法は親指と人差し指で演奏するのが主流でしたが、カントリー・ミュージシャンで「ギターの神様」の異名を持つ「チェット・アトキンス」が「親指から薬指まで使うスリーフィンガー・ピッキング」でギャロッピングを行なったことから「チェットアトキンス奏法」と呼ばれていたこともあります。
また、ギャロッピング奏法のオリジネイターとして有名なギタリストは「Merle Travis(マール・トラヴィス)」で、「トラヴィスピッキング」とも呼ばれていたりします。
ギャロッピング奏法は1本のギターで弾いているとは思えない画期的なサウンドであり、現代も進化を続けている演奏方法です。
ギターのギャロッピング奏法のやり方
ギターのギャロッピング奏法のやり方について、いくつかコツをご紹介します。
基本的にはサムピックがおすすめ
ギャロッピング奏法では基本的にサムピックを使う場合が多いです。
親指にサムピックをつけることにより、低音弦側のベース音を刻むときにエッジを効かせることができ、人差し指から小指まで自由に使うことができます。
また、ギャロッピング奏法でサムピックをつかわず指でピッキングする場合も多いです。
指で弾くことによって全体的にやわらかいトーンになり、人差し指から小指まで自由に使うことができ、ワンポイントでラスゲアード奏法やスラム奏法などと併用もしやすいです。
さらに、最近はギャロッピング奏法で通常のピックを使ってピッキングするスタイルのギタリストも増えてきました。
通常のピックを人差し指と親指で持ちつつ、低音弦側はピックでピッキング、高音弦側は中指と薬指でピッキングするスタイルは、コード弾きや単音弾き、オブリガートなどにも移りやすいです。
フィンガーピッキングはスリーフィンガーが主流
ギャロッピング奏法の歴史的にはツーフィンガーと呼ばれる親指と人差し指で弾くスタイルも多かったですが、現代ではスリーフィンガーが主流です。
親指でベース音を刻みながら、人差し指と中指はメロディーや和音を奏でる役割を担うスタイルは、リズムがとりやすくアタックもコントロールしやすいというメリットがあります。
また、フレーズや楽曲によってはフォーフィンガーと呼ばれる、親指・人差し指・中指・薬指を使った演奏スタイルもあります。
当然、スリーフィンガーよりはフォーフィンガーのほうが使用できる指が多いため、幅広いフレーズへ対応しやすくなりますが、薬指のピッキングコントロールが難しく難易度は少し高くなります。
そのため、ギャロッピング奏法の初心者は、まずはスリーフィンガーから始めるのがおすすめです。
低音弦は手刀部分でブリッジミュートする
ギャロッピング奏法では低音弦側はブリッジミュートして演奏することが基本となります。
アコースティックギター(アコギ)ではサドル部分から1cmほどヘッド側、エレキギターではリアピックアップとブリッジの間あたりを目安にしておき、好みのサウンドになるように位置を微調整しましょう。
ベース担当である4弦から6弦をブリッジミュートすることで音量を抑えられ、1弦から3弦で噛んでるメロディや和音を目立たせることができます。
また、ベース担当である4弦から6弦をブリッジミュートすることで、アタック音以外のサスティーンを抑えられるので、リズムが「ズン、ズン」とリズミカルになります。
メロディーや和音は強弱を意識する
低音弦は手刀部分でブリッジミュートしながら、親指でベースを刻みながらメロディーや和音を弾いていきます。
ギャロッピング奏法でメロディーや和音を指で奏でる時のコツは「強弱を均一に揃える」ことが基本となり、聴かせたいところで「アクセントをつける」ことです。
指の長さは人差し指・中指・薬指で異なり、指の力の入れやすさもそれぞれなので、ピッキングコントロールにバラツキが生まれやすいです。
そのため、まずはピッキングで「強弱を均一に揃える」ことができるように意識し、「強弱を均一に揃える」ことができるようになってきたら「アクセントをつける」ようにしていきます。
ギターのギャロッピング奏法の練習フレーズ
ギターのギャロッピング奏法の練習フレーズを、教則本などにも掲載されているような基本パターンでいくつかご用意しました。
ギャロッピング奏法に慣れるために、段階的にステップアップできる初心者向けの練習フレーズになっていますが、最初は確実に音を鳴らせるようにゆっくりしたテンポから練習をしましょう。
練習フレーズ1:親指の動きを鍛える
まずは親指の動きになれるための練習フレーズです。
簡単なコード進行ですが、コード構成音のルート音と5度の音を交互に鳴らすだけでも最初は初心者にとっては難しいかもしれませんが、最初の練習に最適なフレーズです。
練習フレーズ2:親指でベース音を刻みながら和音を鳴らす
次に親指でベース音を刻みながら和音を鳴らす連取フレーズです。
1拍目、2拍目、3拍目、4拍目のそれぞれにメロディーや和音を鳴らせるようにしましょう。
練習フレーズ3:裏拍で和音を奏でる
次にギャロッピング奏法でよく出てくるパターンの練習フレーズです。
4分音符でベース音を刻みながら裏拍で和音を奏でる定番フレーズですが、リズミカルに演奏できるように意識しましょう。
練習フレーズ4:きらきら星をギャロッピング奏法で弾いてみる
最後にきらきら星をギャロッピング奏法で弾いてみましょう。
複雑なメロディーではないため、親指でルート音と5度を交互に繰り返しながらメロディーを確実に弾けるようにしていきましょう。
ギターのギャロッピング奏法がうまくできない時に見直すポイント
ギターのギャロッピング奏法が上手くできない時に見直すポイントをいくつかご紹介します。
指がつられてしまう
ギャロッピング奏法では「ベース音」「和音」「リズム」「メロディ」を同時に奏でるので、指がつられてしまう場合が多いです。
これは練習を繰り返すしかありませんが、とにかく一つずつ確実に鳴らすことができる「ゆっくりしたテンポ」から練習するのがコツです。
ゆっくりしたテンポで確実に演奏することで、脳に指の動きを叩きこめることができるため、指が徐々につられなくなります。
まとめ
ギターのギャロッピング奏法のやり方についてを解説してきましたが、いかがだったでしょうか。
ギャロッピング奏法ができるようになれば、アコースティックギター(アコギ)だけでなく、エレキギターのアンサンブルでも一味違ったアルペジオ奏法も可能になり、ギターの演奏幅が広がります。
この機会にぜひギャロッピング奏法にチャレンジしてください。
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