特殊なサウンドを生み出すリングモジュレーターは、その他エフェクターとして分類されるエフェクターです。
ギターの音を金属的なサウンドや機械的なサウンドに変化させたり、シンセサイザーのようなサウンドやまるで異空間にいるようなサウンドに至るまで幅広い特殊な音を生み出すことができます。
現代では技術の発達により様々なメーカーから多種多様な特徴や機能を持つエフェクターが販売されているため、選択肢が広く自分の求めている理想のサウンドはあるものの選び方に悩むことも多いかと思います。
そこで今回は、ギターエフェクターのリングモジュレーターについて解説していき、人気機種や定番機種などを厳選してご紹介していきます。
あわせて読みたい
目次
ギターエフェクターのリングモジュレーターとは
ギターの「リングモジュレーター(RING MODULATOR)」とは、原音と別信号を数式で掛け合わせることで新たなサウンドを生み出すことができるエフェクターを意味します。
掛け合わせる周波数が低いうちは音がゆらゆらと揺らめくトレモロのような効果が得られますが、掛け合わせる周波数が高くなるほど不協和音が強くなり金属的なサウンドへ変化していきます。
リングモジュレーターは変な音が出ることで有名ですが、通常のエフェクターでは絶対に得られない特殊なサウンドを作り出すことができます。
ギターエフェクターのリングモジュレーターの接続順
ギターエフェクターのリングモジュレーターを繋ぐ順番は、歪み系エフェクターの前に配置するのが一般的です。
なるべく加工されていない状態の原音と別信号を数式で掛け合わせることで、リングモジュレーターの効果をより高めることができます。
ギターエフェクターのリングモジュレーターのつまみの意味と設定方法
リングモジュレーターはエフェクターによってはつまみがたくさんある機種もありますが、基本的には「MIX/FREQUENCY/AMOUNT/WAVE/RATE/DEPTH」の6つがあります。
「MIX(ミックス)」のつまみの意味と設定方法
リングモジュレーターの「MIX(ミックス)」は、原音とエフェクト音の音量バランスを調節するためのつまみです。
また、「E.LEVEL(エフェクトレベル)」や「LEVEL(レベル)」のほか、「FX LEVEL(エフェクトレベル)」、「BLEND(ブレンド)」、と表記されていることもあります。
つまみを右に回せばエフェクト音の音量が上がり、左に回せばエフェクト音の音量が下がります。
「FREQUENCY(フリークェンシー)」のつまみの意味と設定方法
リングモジュレーターの「Frequency(フリークエンシー)」は、変調させる周波数帯域を調節をするためのつまみです。
つまみを右に回せば指定する周波数帯域が高くなり、左に回せば指定する周波数帯域が低くなります。
「AMOUNT(アマウント)」のつまみの意味と設定方法
リングモジュレーターの「AMOUNT(アマウント)」は、LFOで変調させる量を調節をするためのつまみです。
つまみを右に回せばLFOで変調させる量が多くなり、左に回せばLFOで変調させる量が少なくなります。
「WAVE(ウェイブ)」のつまみの意味と設定方法
リングモジュレーターの「WAVE(ウェイブ)」は、周波数が変化する波を調整するためのつまみです。
また、「SHAPE(シェイプ)」や「SQUARE SINE(スクエアサイン)」と表記されていることもあります。
つまみを右に回せば音量が変化する波は極端になり、左に回せば音量が変化する波はなめらかになります。
「RATE(レイト)」のつまみの意味と設定方法
リングモジュレーターの「RATE(レイト)」は、周波数が変化する周期の速さを調整するためのつまみです。
また、「SPEED(スピード)」と表記されていることもあります。
つまみを右に回せば周波数が変化する周期の速さは速くなり、左に回せば周波数が変化する周期の速さは遅くなります。
「DEPTH(デプス)」のつまみの意味と設定方法
リングモジュレーターの「DEPTH(デプス)」は、周波数が変化する幅を調整するためのつまみです。
また、「WIDTH(ウィドゥス)」と表記されていることもあります。
つまみを右に回せば周波数が変化する幅は広がり、左に回せば周波数が変化する幅は狭くなります。
ギターエフェクターのリングモジュレーターの使い方
リングモジュレーターは目的に合わせて幅広い使い方ができるエフェクターの一つです。
ギタリストによっては目的に合わせてリングモジュレーターの使い方はいくつかあるため、代表的なリングモジュレーターの使い方をご紹介していきます。
リングモジュレーターを飛び道具として使用する使い方
リングモジュレーターを飛び道具として使用する使い方です。
LFOで変調させる周波数帯域を高めに指定して変調させる量を多めにしておき、エフェクト音を大きめにしておくと金属的なサウンドや機械的なサウンドになります。
また、LFOの波形を矩形波にすることでシンセサイザーのようなサウンドにもすることができるため、各パラメーターの組み合わせ次第で自分だけの特殊なサウンドを生み出すことができます。
リングモジュレーターを隠し味で使用する使い方
リングモジュレーターを隠し味で使用する使い方です。
LFOで変調させる周波数帯域を高めに指定して変調させる量を少なめにしておくことで、バンドサウンドに埋もれないエッジの効いたサウンドを生み出すことができます。
その場合、ギターの原音を残してリングモジュレーターのエフェクト音を少し混ぜるような音量バランスにしておくのが一番大切なポイントです。
ギターエフェクターのリングモジュレーターのおすすめ
ギターエフェクターのリングモジュレーターのなかでも人気のある機種や定番とされている機種、名機などを厳選してご紹介していきます。
Moog moogerfooger MF-102 Ring Modulator
数々の賞を獲得したMoog製リングモジュレーターです。
オシレーター、LFO、リングモジュレーターの3つの機能を搭載しており、繊細なトレモロから倍音豊かなディストーション、ゴングのような音や爆撃の音まで設定次第で幅広い音作りができます。
また、エレキギターだけでなくベースやシンセサイザーなどの外部音源にも使えて音質もよくて音痩せも少ないのでおすすめです。
Electro Harmonix Ring Thing
先代リングモジュレーター「Electro Harmonix Frequency Analizer」に新機能を追加しグレードアップさせたモデルです。
4つのモードで「RM(リング・モジュレーション)」「UB(アッパー・バンド・モジュレーション)」「LB(ローワー・バンド・モジュレーション)」「PS(ピッチシフト)」を切りかえることができるのが特徴です。
リングモジュレーターとしてだけでなくオクターバーとしてはもちろん、ピッチシフターシングルサイドバンドモジュレーター、ピッチシフター、トレモロとして使えるエフェクトペダルです。
また、外部エクスプレッションペダルを繋ぐことで波形やピッチシフトなどのパラメーターを足元で操作し、ワーミーのような音を生み出すこともできます。
Fairfield Circuitry Randy’s Revenge
オシレーターとフィルターの周波数をCVコントロール可能なリングモジュレーターペダルです。
完全アナログ回路のスペイシーなサウンドが特徴であり、「SQ/SI」スイッチでスクエア波とサイン波を切り替え、「HI/LO」スイッチでフリーケンシーレンジをHighとLowで切り替えることで多彩な音作りが可能です。
また、ローパスフィルターでカットオフする周波数を調整し、原音とエフェクト音のバランスを整えていくことで様々な変化を見せてくれます。
Subdecay Vitruvian Mod
シンセサイザーの魂を持ったリングモジュレーターです。
リングモジュレーターは音作りが非常に難しいエフェクターであり、大抵は耳障りな不協和音となってしまいがちですが、ピッチ検出を追加することで簡単に音作りがしやすくなっています。
また、TRACKINGスイッチを0のポジションにすることで、クラシックなリングモジュレーションのサウンドを作ることもできます。
Z.vex Super Ringtone
オリジナリティー溢れるハンドペイントが施されたギター用のハンドメイドエフェクトメーカーのリングモジュレーターである「Z.vex Ringtone」のアップグレード版です。
高音質ながら唯一無二の機能を備えており、Frequencyコントロール、ステップ数の調節、ステップの強弱、ホールド機能、スピード調節など様々な機能が詰め込まれています。
また、Tapによってもテンポ調節が可能なのはもちろん、外部エクスプレッションペダルやMIDIコントローラーを使用して制御することも可能です。
WAYHUGE WHE606 Ring Worm
アナログシンセサイザーの技術を用いて作られたリングモジュレーターペダルです。
Modeつまみで「サイン/ステップサイン/スクエア/ランダム/エンヴェロープ」の5つの波形からサウンドを選択することでき、「Blend/FREQ//Rate/Width」でサウンドをコントロールしていきます。
また、エクスプレッションペダルを接続することで、FREQコントロールをペダルで操作することが可能になります。
まとめ
ギターエフェクターのリングモジュレーターのおすすめについてご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。
リングモジュレーターは音作りが非常に難しいエフェクターですが、通常のエフェクターでは絶対に得られない特殊なサウンドを作り出すことができる唯一無二のエフェクターと言っても過言ではありません。
是非、自分の求めているサウンドを実現できるリングモジュレーターを見つけていきましょう。
あわせて読みたい