ギターの音を圧縮することができるコンププレッサーエフェクターは、ダイナミクス系エフェクターに分類されるエフェクターです。
クリーントーンによるカッティングやアルペジオに使用されることが多いのはもちろんですが、独特の「パツパツ」とした丸みのある音やロングサステインを狙った音作りなど様々な使い方ができます。
現代では技術の発達により様々なメーカーから多種多様なコンププレッサーエフェクターが販売されているため、選択肢が広く自分の求めている理想のサウンドはあるものの選び方に悩むことも多いかと思います。
そこで今回は、ギターエフェクターのコンププレッサーについて解説していき、人気機種や定番機種などを厳選してご紹介していきます。
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目次
- 1 ギターエフェクターのコンプレッサーとは
- 2 ギターエフェクターのコンプレッサーのつまみの意味と設定方法
- 3 ギターエフェクターのコンプレッサーの使い方
- 4 ギターエフェクターのコンプレッサーのおすすめ
- 4.1 BOSS CS-3 Compression Sustainer
- 4.2 BOSS CP-1X Compressor
- 4.3 MXR M102 Dyna Comp
- 4.4 Providence VELVET COMP
- 4.5 Suhr KOJI COMP
- 4.6 Xotic SP Compressor
- 4.7 One Control Lemon Yellow Compressor
- 4.8 TC Electronic HyperGravity Compressor
- 4.9 TC Electronic Forcefield Compressor
- 4.10 strymon COMPADRE
- 4.11 strymon OB.1 Optical Compressor & Clean Boost
- 5 まとめ
ギターエフェクターのコンプレッサーとは
ギターの「コンプレッサー(COMPRESSOR)」とは、ギターのある一定以上の大きな信号を圧縮することで、音の粒をそろえることができるエフェクターのことを言います。
大きな音を圧縮しただけでは音が小さくなるだけですが、音量を圧縮した後に全体の音量持ち上げることにより、大きい音は小さく、小さい音は大きくなり、音の強弱差を縮めることができます。
そのため、ギターにおけるコンプレッサーは「音量レベルを揃える」「音の減衰を長くしてロングサステインを得る」という二つの目的で使われることが多いです。
クリーンなサウンドによるコードカッティングからサステインの効いたギターソロはもちろん、音を丸く柔らかくしたり音圧をあげたりする積極的な音作りにも使われるなど、様々な使い方ができるエフェクターです。
ギターエフェクターのコンプレッサーのつまみの意味と設定方法
コンプレッサーはエフェクターによってはつまみがたくさんある機種もありますが、基本的には「LEVEL/Attack/THRESHOLD/Sustain/RATIO」の5つがあります。
コンプレッサーの「LEVEL(レベル)」のつまみの意味と設定方法
コンプレッサーの「LEVEL(レベル)」は、は音量を調節をするためのつまみです。
また、「volume(ボリューム)」や「GAIN(ゲイン)」のほか、「BLEND(ブレンド)」「MIX(ミックス)」と書かれている場合もあります。
つまみを右に回せば音量が上がり、左に回せば音量が下がります。
コンプレッサーの「Attack(アタック)」のつまみの意味と設定方法
コンプレッサーの「Attack(アタック)」は、音が圧縮されるまでの時間を調整するためのつまみです。
つまみを右に回せばスレッショルドレベルを越えた音が圧縮されるまでの時間は速くなり、左に回せばスレッショルドレベルを越えた音が圧縮されるまでの時間は遅くなります。
コンプレッサーの「THRESHOLD(スレッショルド)」のつまみの意味と設定方法
コンプレッサーの「THRESHOLD(スレッショルド)」は、音の圧縮が始まる音量レベルを調整するためのつまみです。
つまみを右に回せば音の圧縮が始まる音量レベルは低くなり、左に回せば音の圧縮が始まる音量レベルは高くなります。
コンプレッサーの「Sustain(サステイン)」のつまみの意味と設定方法
コンプレッサーの「Sustain(サステイン)」は、圧縮された音が元に戻るまでの時間を調整するためのつまみです。
また、「RELEASE(リリース)」と表記されていることもあります。
つまみを右に回せばスレッショルドを下回った圧縮された音が元に戻るまでの時間は長くなり、左に回せばスレッショルドを下回った圧縮された音が元に戻るまでの時間は短くなります。
コンプレッサーの「RATIO(レシオ)」のつまみの意味と設定方法
コンプレッサーの「RATIO(レシオ)」は、音の圧縮率を調整するためのつまみです。
また、「Sensitivity(センシティビティー)」と表記されていることもあります。
つまみを右に回せば音の圧縮率が高くなり、左に回せば音の圧縮率が小さくなります。
ギターエフェクターのコンプレッサーの使い方
コンプレッサーは目的に合わせて幅広い使い方ができるエフェクターの一つです。
ギタリストによっては目的に合わせてコンプレッサーの使い方はいくつかあるため、代表的なコンプレッサーの使い方をご紹介していきます。
クリーントーンによるカッティングやアルペジオにコンプレッサーを組み合わせる使い方
クリーントーンによるカッティングやアルペジオにコンプレッサーを組み合わせる使い方です。
コンプレッサーを掛けることで音の粒がそろうだけでなく、独特の丸みのある音になり、コードカッティングや単音カッティング、アルペジオなどと相性が抜群です。
また、コンプレッサーを強く掛けることでコップレッサー特有の「パツパツ」とした音作りも可能です。
ブースターとしてコンプレッサーを組み合わせる使い方
ブースターとしてコンプレッサーを組み合わせる使い方です。
コンプレッサーのつまみはレベル以外のつまみはほぼゼロにしておき、レベルは最大にしておくことで純粋なクリーンブースターとして代用することができます。
また、コンプレッサーを強めに掛けることでロングサステインを狙った音作りも可能です。
バッファーとしてコンプレッサーを組み合わせる使い方
バッファーとしてコンプレッサーを組み合わせる使い方です。
バッファー専用のエフェクターもありますが、プロのギタリストもコンプレッサーをかけっぱなしでバッファーのように使用している使い方をされている方も多いです。
ギターエフェクターのコンプレッサーのおすすめ
ギターエフェクターのコンプレッサーのなかでも人気のある機種や定番とされている機種、名機などを厳選してご紹介していきます。
BOSS CS-3 Compression Sustainer
ギタリストだけでなくベーシストにも愛用される定番のロングセラーモデルです。
ストラトキャスターやテレキャスターなどシングルコイルとの相性が良いと言われており、カッティングプレイ時には粒の揃った気持ちの良いサウンドが魅力です。
LEVEL、TONE、ATTACK、SUSRAINといった4つのコントロールつまみにより、バランスの良いコンプレッションで弱いコンプレッション感から、パコパコとした強いコンプレッション感まで幅広い音作りができます。
BOSS CP-1X Compressor
BOSSが2016年11月にリリースしたコンパクトサイズながらラックタイプのコンプレッサーに匹敵するプロ品質を実現した次世代モデルのコンプレッサーペダルです。
CP-1Xにはコンプレッションされているかどうかを視覚的に捉えられるゲイン・リダクション・インジケーターを搭載しているのが最大の特徴です。
さらにCS-3よりも低ノイズでありながら、自然なコンプレッションを追求したハイクオリティなコンプレッサーでもあり、圧縮を強めていけばパーカッシブなコンプにも対応できる万能型です。
MXR M102 Dyna Comp
1970年代に初代のダイナコンプが登場して以来、定番コンプレッサーとして多くのギタリスト・ベーシスト達に愛されてきたコンプレッサーの名機です。
原音に対して味付けをしっかりと行う「パコパコ系」の音が特徴であり、つまみは「OUTPUT」「SENSITIVITY」の2つだけというシンプルな構成で音作りもしやすいです。
パーカッシブでコンプレッション感のあるコンプサウンドを求める人におすすめです。
また、サイズがコンパクトになった「MXR M291 Dyna Comp mini」や、2つのつまみを加えた「MXR M228 DYNA COMP DELUXE」もおすすめです。
Providence VELVET COMP
パイル織物の一種であるベルベットのようなスムースなコンプ感を得られるエフェクターです。
クリーンだけでなく「オーバードライブやディストーション」との相性も良いコンプレッサーでもあり、ハイクオリティなサウンドでプロギタリストも愛用している方が多いです。
一般的なコンプレッサーペダルよりもノイズが少ないのが特徴であり、音質も良くてナチュラルな音はバッファーとしてかけっぱなしにする使い方もおすすめできます。
Suhr KOJI COMP
ハイエンドに位置するSuhrのヴィンテージ・コンプからモダン・コンプまでカバーするアナログコンプレッサーです。
甘くスムーズで心地良いナチュラルなコンプからバキバキとした弾けるようなパーカッシブサウンドまでで幅広い音作りができ、どのようなセッティングにしてもクオリティが高いのが特徴です。
また、コンプレッションされる帯域を設定できるVoiceスイッチ、そしてのエフェクト音のブレンド量を決められるMixコントロールなどでハイエンドなエフェクターです。
Xotic SP Compressor
ヴィンテージサウンドから、ハイファイな掛かり方までコントロール可能な高性能コンプレッサーです。
サウンドのキャラクターとしては骨太な感じで「太いサウンド」が特徴であり、コンプレッションは比較的強い方ですが、「BLEND」というつまみで原音と混ぜることで、自然なサウンドも得ることができます。
コンプの掛かり具合は本体中央のスイッチで「LOW」「MID」「HIGH」の3種類を選ぶことができ、更に裏蓋を開けると本体内部のDIPスイッチがあり、さらに追い込んだ音作りも可能です。
One Control Lemon Yellow Compressor
高品質な小型エフェクタペダルを作っているメーカーであるOne Controlのコンプレッサーペダルです。
つまみは「LEVEL/GAIN/RATIO」の3つよいうシンプルな設計に加え、側面のスイッチで「COMP」と「SUSTAIN」のモードが切り替えできるので直感的に音作りをすることができます。
また、RATIOとGAINを最大にすると軽く歪むため、単体でオーバードライブのように使えたり、TS系ブースターのような使い方もできます。
TC Electronic HyperGravity Compressor
高品質な音楽機材に定評のある「TC Electronic」のコンプレッサーです。
マルチバンドモードである「SPECTRA」は、帯域ごとにコンプレッション量を変えることができるため、今までのギター用コンプレッサーでは不可能だった音作りにも対応可能です。
また、従来のギターコンプレッサーの音である「VINTAGE」モードに加え、「TONE PRINT」機能によりプロギタリストが作ったセッティングをそのまま反映することもできます。
マスタリングスタジオなどに御用達の同社シグナルプロセッサー「SYSTEM 6000」を元に開発されたスタジオクラスの音質と操作性を兼ね備えているおすすめのコンプレッサーです。
また、よりコンパクトにした「TC Electronic Hypergravity Mini Compressor」もおすすめです。
TC Electronic Forcefield Compressor
アナログ回路による温かく心地の良いコンプレッション感を実現しているリーズナブルなペダルです。
つまみは「LEVEL」で音量を調整、「ATTACK」で音が圧縮されるまでの時間を調整、「SUSTAIN」で圧縮された音を元に戻すまでの時間を調整するというシンプルな操作系統で音作りもしやすくなっています。
コストパフォーマンスも高く価格も安いため、コンプレッサー入門機種としておすすめのモデルです。
strymon COMPADRE
ハイブランドメーカーであるstrymonから1台にコンプレッサーとブースターが搭載されているハイエンドなコンプレッサー&ブースターです。
コンプレッサーはナチュラルなかかり具合のコンプである「studio」モード、ヴィンテージなハードなかかり具合のコンプである「squeeze」モードの2タイプのコンプが選べます。
さらに「DRY」つまみを回していくことでコンプがかかっていない信号も混ぜることができ、「パラレルコンプレッション」も可能など万能なコンプレッサーペダルです。
strymon OB.1 Optical Compressor & Clean Boost
伝説のラック式コンプレッサー「Urei 1176」と同様にフォトカプラーを使用した完全アナログ回路によるオプティカル・コンプレッサーです。
スタジオグレードの高品質コンプレッサーをペダルサイズに凝縮したモデルであり、透明感のある極めて自然なコンプレッション圧巻の超低ノイズを実現しています。
また、ブースター機能も搭載しており、3種類のブーストタイプ「treble/mid/flat」からブーストを強調する帯域を選ぶことができるなど、ハイエンドなコンプレッサーペダルです。
まとめ
ギターエフェクターのコンプレッサーのおすすめについてご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。
コンプレッサーはエフェクトの効果もわかりにくいですが、音の粒をそろえることができたり、積極的な音作りができるなど、使いこなせれば様々な使い方ができるエフェクターです。
是非、自分の求めているサウンドを実現できるコンプレッサーを見つけていきましょう。
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