音痩せやノイズなど音質が劣化することを防止することができるバッファーペダルは、その他エフェクターとして分類されるエフェクターです。
現代では技術の発達により様々なメーカーから多種多様な特徴や機能を持つエフェクターが販売されているため、選択肢が広く自分の求めている理想のサウンドはあるものの選び方に悩むことも多いかと思います。
そこで今回は、ギターエフェクターのバッファーペダルの使い方について解説していき、おすすめの人気機種や定番機種などを厳選してご紹介していきます。
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目次
ギターエフェクターのバッファーペダルとは
ギターの「バッファーペダル(Buffer pedal)」とは、インピーダンスを下げることで音痩せやノイズなど音質が劣化することを防止することができるエフェクターを意味します。
パッシブタイプのギターやベースなどの出力インピーダンスはハイインピーダンスですが、ハイインピーダンスの信号は弱く外部からの干渉を受けやすいため、ノイズを拾いやすく信号が劣化しやすいという特徴があります。
また、アクティブタイプのローインピーダンスの信号は強く外部からの干渉を受けにくいため、ノイズを拾いづらく音質が劣化しにくいという特徴があります。
そのため、バッファーペダルで音の信号をハイインピーダンスからローインピーダンスに変換することにより、信号のインピーダンスを下げて音質が劣化しづらい強い信号にすることができます。
ギターエフェクターのバイパスの種類
エフェクターのバイパス方式は「トゥルー・バイパス」「バッファード・バイパス」の2種類があります。
トゥルー・バイパス
トゥルー・バイパスは、エフェクターがオフの時にエフェクターの回路を通さないバイパス方式です。
エフェクターがオフの場合はバッファ回路を通過しないため、信号はシールドのジャック部分を通るだけになり、信号はそのまま素通りして音色変化が起こりにくいです。
そのため、エフェクターが全てトゥルー・バイパスでエフェクターがオフの場合は、基本的にハイインピーダンスの状態になります。
バッファード・バイパス
バッファード・バイパスは、エフェクターがオフの時もエフェクターの回路を通るバイパス方式です。
エフェクターがオンオフに関わらずバッファ回路を通過するため、信号は内臓のバッファ回路を通ることになり、信号はバッファを通過して音色変化は起こります。
そのため、バッファード・バイパスのエフェクターを接続した場合は、基本的にローインピーダンスの状態になります。
ギターエフェクターのバッファーペダルの接続順
ギターエフェクターのバッファーペダルをつなぐ順番は、ギターの直後の位置に配置するのが一般的です。
バッファーペダルを最後に接続した場合は、エフェクターをオンオフした時に起きるインピーダンスの変化が無くなり、音質が安定するという利点がありますが、一度劣化した音の信号を元に戻すことは難しいです。
また、基本的にはチューナーやボリュームペダル、ループスイッチャーやラインセレクターよりも前段の位置に配置しますが、影響が少ないジャンクションボックスの後段の位置に配置するのがおすすめです。
ただ、例外としてハイインピーダンスからの入力を前提として設計されているヴィンテージ系のファズやワウペダルの場合は、バッファーペダルを前段に繋いでしまうと音質が極端に変化してしまう可能性があるため、音質の劣化が著しい場合は後段の位置に配置します。
ギターエフェクターのバッファーペダルの使い方
バッファーペダルは目的に合わせて幅広い使い方ができるエフェクターの一つです。
ギタリストによっては目的に合わせてバッファーペダルの使い方はいくつかあるため、代表的なバッファーペダルの使い方をご紹介していきます。
専用のバッファーペダルを使用する使い方
専用のバッファーペダルを使用する使い方です。
最初の段階でギターの微弱な信号を強い信号へ変換するのが基本のため、エフェクターボードの最初にバッファーペダルを接続して常時オンの状態にして使用します。
また、アンプまでの信号を安定させるという使い方をする場合は、エフェクターボードの最後にバッファーペダルを接続して常時オンの状態にして使用するギタリストもいます。
他のエフェクターをバッファーとして代用する使い方
他のエフェクターをバッファーとして代用する使い方です。
エフェクターボードの最初にバッファーの代用にするエフェクターを接続しておき、常時オンの状態にして使用することでバッファーの代わりにすることができます。
音量を上げてもなるべく音を歪ませず原音の色付けが少ないクリーンブースターがバッファーの代用として使用されることが多いですが、コンプレッサーをバッファーの代用として使用するギタリストも多いです。
ギターエフェクターのバッファーペダルのおすすめ
ギターエフェクターのバッファーペダルのなかでもすすめの人気機種や定番機種、名機などを厳選してご紹介していきます。
TRUETONE PURE TONE
比較的リーズナブルなバッファーペダルです。
極限までシンプルにした回路設計とハンドメイドによる極めて聴感上の変化の少ないのが特徴であり、単純に接続しただけでは変化がわかりづらいですが、確実にノイズに強い信号に変換してくれます。
また、常時オンを前提にしているためスイッチはありませんが、小型サイズでスペースを無駄にしない設計になっています。
Empress Effects Buffer+
高品質なエフェクターを多数リリースしているEmpress Effectのバッファーペダルです。
バッファーとして最高レベルのギター信号が得られるよう設計されているのはもちろん、最適な出力レベルで出力する高品位なクリーンブーストを備えているほか、ノイズフィルターとしての役割も担っています。
エフェクトループやチューナー専用のアウトプットも装備しているため、ジャンクションボックスとしても使用できる多機能なバッファーペダルです。
TC ELECTRONIC BonaFide Buffer
同社の定番チューナーPolyTune 3にも内蔵されているバッファーペダルです。
長いケーブルランなどで起こりがちな音質劣化を解消してくれることはもちろん、ギター本来の活き活きとした音を蘇らせることができる高品位な完全アナログ・バッファー・ペダルです。
また、ミニサイズなのでエフェクターボードに組み込みやすいところもおすすめです。
PROVIDENCE VZF-1 VITALIZER BF
同社のエフェクターに標準搭載されるバッファーをペダル化したモデルです。
本機をエフェクターボードの最前段、またはシステムの最後段などに繋ぐことにより、エフェクターが原因による音質の劣化や長いシールドを繋ぐなどした時の音痩せを解消してくれます。
また、バッファーにありがちなハイファイになり過ぎるなどもなく、原音に忠実な信号を出力することができます。
SUHR BUFFER
ハイエンドメーカーであるSuhr社の高品質なバッファーペダルです。
長いケーブルを使用したり、複数のケーブルを交差させたりすることで発生する信号のロスを回避するだけでなく、透き通るようなクリアトーンが特徴です。
また、グラウンドループを解消するためのアイソレーションアウトや位相を最適な位置に戻すためのフェイズスイッチなどハイエンドな仕様になっています。
MXR MC406 CAE BUFFER
MXRとCustom Audio Electronics(CAE)によるコラボレーションによって誕生したバッファーペダルです。
最大+6dBまでの範囲を無段階調節できるスライダーを搭載しているのでクリーンブーストとして使用できるほか、ハイカット/ローカットのコントロールが可能なスイッチを搭載しています。
また、通常のバッファード出力に加えてバッファード/アンバッファードが選択可能な追加出力も装備しているなど使い勝手の良いバッファーペダルです。
One Control Minimal Series BJF Buffer
ワンコントロールのスイッチャーに搭載されるBJF Bufferのみを取り出したバッファーペダルです。
圧倒的にナチュラルなサウンドでノイズや減衰に強い信号へ変換してくるのが特徴であり、機材の特性により反転することのある位相を元に戻すことができる位相反転スイッチも搭載されています。
エフェクターボードへの組み込みやすいミニマルシリーズの筐体に収められた導入しやすいバッファーペダルです。
XOTIC Super Clean Buffer
ハイエンドなバッファー機能とクリーンブースト機能を搭載したミニサイズのペダルです。
最大+12dBのクリーンブースト機能は、エフェクターの側面にあるEQ DIPスイッチでブーストする帯域を「ハイ/ハイミッド/ローミッド/ベース」の4つで細かく調整するができます。
また、内部DIPスイッチにより「Buffered(バッファード)」と「True Bypass(トゥルーバイパス)」の切り替えもできます。
Beyond Tube Buffer 2S
Electro-Harmonix社製真空管の真空管「12AU7 EH」を搭載したバッファーペダルです。
ギターやベースの信号をローインピーダンスに変換してくれるのはもちろん、真空管特有の暖かく粘りのあるチューブアンプのような効果が得られるため、原音の煌びやかさを保ったノイズレスなサウンドが特徴です。
また、省スペース設計かつトゥルーバイパス仕様となっているのもおすすめポイントです。
まとめ
ギターエフェクターのバッファーペダルのおすすめについてご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。
専用のバッファーペダルは高品質なモデルも多いため、音痩せやノイズなど音質が劣化することを防止する目的での導入価値は十分にあります。
是非、自分の求めているサウンドを実現できるバッファーペダルを見つけていきましょう。
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