演奏したフレーズを録音や再生をしたり、その音に他の演奏を重ねることができるルーパーというエフェクターが気になっている方も多いのではないでしょうか。
使い手の技量とアイデアが問われる奥が深いエフェクターですが、アイデア次第で様々な活用ができることから年々需要が高まり、ルーパー専用機種が次々と登場しているため、選択肢が広く選び方に悩むことも多いかと思います。
そこで今回は、ギターエフェクターのルーパーについて解説していき、人気機種や定番機種などを厳選してご紹介していきます。
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目次
ギターエフェクターのルーパーとは
ギターの「ルーパー(Looper)」とは、録音した音をループ再生することができるエフェクターのことを言います。
ルーパーの歴史は、弾いたフレーズを一時的に録音して狙ったタイミングで再生するというディレイの仕組みを応用したことから始まり、演奏したギターフレーズを録音や再生をしたり、音をループさせて新たに音を重ねていく「サウンド・オン・サウンド」効果が得られます。
現代では多重録音やジャムセッション、ライブパフォーマンスなどでよく使われますが、ルーパーの需要は年々高まり、ディレイよりも遥かに長い秒数を録音→再生できたり、録音できるトラック数が多く多重録音ができるなど、ルーパー専用機種が次々と登場しています。
ルーパーは録音したフレーズを重ねてループさせるシンプルな機能であるが故に、使い手の技量とアイデアが問われる奥が深いエフェクターです。
ギターエフェクターのルーパーに搭載されている機能
ルーパーに搭載されている機能については、基本的に「録音・重ね撮り・最後に重ねた音を消去・最後に重ねた音を復活・再生・停止」の6つがあります。
録音「REC(レック)/Start(スタート)」
「録音開始」の操作で「REC(レック)」や「Start(スタート)」と表記されているモデルもあります。
ペダルのスイッチを踏むことで録音が始まり、再度スイッチを踏むことで録音が終了し、録音したフレーズが半永久的にループ再生されます。
重ね録り「Over Dub(オーバーダブ)」
「重ね録り」の操作で「Over Dub(オーバーダブ)」と表記されているモデルもあります。
録音と同じ手順を繰り返すことで、前の音を再生しながら次の音を録音する多重録音ができ、1度目の録音はバッキング、2度目の録音はリードといったように音を重ねていくことができます。
最後に重ねた音を消去「Undo(アンドゥ)」
「最後に重ねた音を消去」する操作で「Undo(アンドゥ)」と表記されているモデルもあります。
演奏を失敗してしまった時や、異なるフレーズを重ねたい時にひとつ前に戻る操作を行うことで、1から演奏をやり直しせずに録音することができます。
最後に重ねた音を復活「Redu(リドゥ)」
「最後に重ねた音を復活」させる操作で「Redu(リドゥ)」と表記されているモデルもあります。
先ほどの「最後に重ねた音を消去」と逆の操作であり、操作を誤って録音を消してしまった時に一つ前の録音を復活させる操作を行うことで、スムーズに多重録音を進めることができます。
再生「Play(プレイ)」
「録音をせずに録音した音を再生」する操作で「Play(プレイ)」と表記されているモデルもあります。
録音したフレーズをループ再生しながら、自由に演奏することができます。
停止「STOP(ストップ)」
「録音をせずに録音した音を停止」する操作で「STOP(ストップ)」と表記されているモデルもあります。
録音したフレーズをループ再生を停止し、自由に演奏することができます。
ギターエフェクターのルーパーのつまみの意味と設定方法
ルーパーはエフェクターによってはつまみがたくさんある機種もありますが、基本的には「LEVEL」があります。
ルーパーの「LEVEL(レベル)」のつまみの意味と設定方法
ルーパーの「LEVEL(レベル)」は、録音した音を再生するときの音量を調節をするためのつまみです。
また、「Loop LEVEL(ループレベル)」や「OUTPUT LEVEL(アウトプットレベル)」、「VOLUME(ボリューム)」と表記されていることもあります。
つまみを右に回せば録音した音を再生するときの音量が上がり、左に回せば録音した音を再生するときの音量が下がります。
ギターエフェクターのルーパーの使い方
ルーパーは録音したフレーズを重ねてループさせるシンプルな機能であるが故に、使い手の技量とアイデアが問われる奥が深いエフェクターです。
ギタリストによっては目的に合わせてルーパーの使い方はいくつかあるため、代表的な使い方をご紹介していきます。
ルーパーを練習で使用する使い方
ルーパーを練習で使用する使い方です。
リズムパートであるバッキングなどを録音したフレーズをループ再生させることで、リードギターやメロディー、アドリブなどを弾いて練習していきます。
ループ再生させているコード進行に合わせてフレーズを弾くことで、どのような響きになるかを確認しながら練習することができるので、より効率的に練習をすることができます。
また、練習だけでなくひとりセッションでギターを楽しむ使い方をされているギタリストも多いです。
ルーパーをライブ演奏で使用する使い方
ルーパーをライブ演奏で使用する使い方です。
ルーパーの多重録音機能を駆使し、ドラムやベースなどのリズムパート、ギターやピアノなどのバッキングやリードパートを重ね合わせていきます。
それらをループ再生しながら、AメロやBメロ、サビなどで録音した各トラックの再生や停止を繰り返してメリハリをつけ、そのうえにメインパートであるボーカルなどの歌をのせていきます。
ギター1本でもバンドさながらの迫力のあるアンサンブルを生み出し、表現するアーティストも増えてきていますので、プレイヤーそれぞれの個性や技量が出てくるパフォーマンスは非常に魅力的です。
ギターエフェクターのルーパーのおすすめ
ギターエフェクターのルーパーのなかでも人気のある機種や定番とされている機種、名機などを厳選してご紹介していきます。
BOSS RC-1
高い機能と手ごろな価格を両立させた機種として人気があり、シンプルかつ操作が簡単なのではじめてのルーパーにおすすめです。
ルーパーとしての基本的な機能が全て揃っており、「録音、再生、オーバーダブ、アンドゥ/リドゥ」といった操作をペダルひとつで完結できます。
また、円形のインジケーターで「録音、再生、テンポ」などがわかりやすく表示され必要な情報がひと目で把握できるため、操作に迷うことなく直感的に操作することができます。
録音時間はステレオで最大約12分なので、普段の練習だけでなくライブ演奏などでも余裕をもって使用できます。
BOSS RC-3
先ほどの「BOSS RC-1」よりもより多くの機能が搭載されているルーパーです。
録音時間は3時間へと大幅に増え、最大99種類のループフレーズを本体内に保存しておくことが可能になっています。
録音時間を気にせずパフォーマンスに集中することができるのはもちろん、事前にループフレーズを本体内に保存しておくことで簡易的な同期演奏用の機材としても利用することができます。
また、USBでパソコンと接続することもできるため、録音したフレーズやリズムパターンをパソコン内にバックアップすることも可能になっています。
BOSS RC-5
BOSSの高品位コンパクトルーパーペダルとして大定番となっているモデルです。
録音時間が最大13時間と長いのはもちろん、LCD(液晶ディスプレイ)を搭載し操作性と視認性を高め、50種類以上のリズムパターンが内蔵されているほか、最大99種類のループフレーズを本体内に保存しておくことが可能になっています。
また、USB経由でパソコンからWAVのループ素材をインポート、エクスポートすることも可能だけでなく、外部フットスイッチなどの拡張性にも優れています。
BOSS RC-10R RHYTHM LOOP STATION
ルーパー機能とリズムパターンを融合させた次世代ルーパーペダルです。
2つのソング・ディビジョンとイントロ、エンディング、フィルから構成されるリズムパターンを280種類以上内蔵しており、ロックやポップ、ジャズなどあらゆる音楽ジャンルのリズムパターンをカバーしています。
また、「LOOP」と「RHYTHM」が別々のスイッチになっているため、曲の進行にあわせて演奏を展開できるルーパーと躍動感あふれるリズムを組合せたライブパフォーマンスが可能です。
録音時間は最大6時間可能であり、フレーズは最大99個、リズムは50まで保存できるので、比較的コンパクトなサイズのルーパーながらかなり多機能なモデルです。
BOSS RC-500
高品位なサウンドクオリティと汎用性の高いルーティングとミキシング機能を備えた2トラックルーパーです。
2つのループトラックを備えており、Track1とTrack2 を交互に再生することで曲に展開を持たせたり、2つのトラックを同時に再生して複雑にサウンドをレイヤーしたりすることもできます。
本体の3つのフットスイッチで、録音/再生/停止/トラックの切替えなどを簡単にコントロールできるほか、最大2つの外部フットスイッチを増設でき、演奏スタイル合わせて自由に機能を割り当てることができます。
BOSS RC-600
BOSSの高品位なサウンドと進化した機能、高度なカスタマイズ性を備えたフロア型Loop Stationのフラッグシップモデルです。
32ビットAD/DA、32ビット浮動小数点演算処理により高品位なサウンドを実現しており、最大6トラックを同時使用可能だけでなく、9つのフットスイッチは自由に機能をカスタマイズできます。
また、充実した入出力端子と高い柔軟性を誇るルーティング機能により、複数のマイクや楽器の接続/入力から各トラックの出力方法に至るまで、1台で高度なループ・システムの構築が可能です。
パフォーマンスを向上させる新機能を多数搭載しているため、すべての機能がシームレスに融合することで、プレイヤーの創造性を無限に広げてくれます。
TC Electronic Ditto Looper
ギタリストのためにデザインされた、超コンパクトサイズでシンプル設計なルーパーペダルです。
最大5分間のループを作成することができる上に無制限に音を重ねていくことも可能であり、最後に重ねた音を消去(Undo)/復活(Redo)させることもできます。
高品質の音楽機材で定評のあるTC Electronicらしく、トゥルーバイパスはもちろん、録音した音源は24ビットというレコーディングクオリティで保存される仕様になっており、音質にもこだわっています。
ループレベルを調節する「Level」ツマミとフットスイッチのみでコントロールできるので、サウンド・オン・サウンド機能が欲しいギタリストにとって使い勝手のよいモデルです。
また、「Ditto Looper」シリーズの最上位モデルである「TC Electronic Ditto X4 Looper」は、独立した2つのルーパーを備えており、7種類のループエフェクトやリズムマシン機能、MIDIシンク機能などを搭載した多機能ルーパーです。
DIGITECH TRIO+
録音したギター演奏に合わせて自動でベースとドラムを生成してくれるという機能が搭載されているルーパーペダルです。
自動生成の機能は12種類の音楽ジャンルを選ぶことができ、さらに選択した音楽ジャンルごとに12種類のスタイルが選択することが可能です。
また、5つのソングパートを学習することができ、各パートを好きに並べ替えて曲を作る「ソングシーケンス機能」というものも搭載されています。
従来型のルーパーとしての使用はもちろんですが、「DIGITECH TRIO+」のバンド演奏と連動させることも可能です。
まとめ
ギターエフェクターのルーパーのおすすめについてご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。
ルーパーは自宅練習を効率よくさせてくれるだけでなく、使い手の技量とアイデア次第ではライブ演奏やパフォーマンスなどにおける創造性を無限に広げてくれます。
是非、自分の求めているプレイスタイルを実現できるルーパーを見つけていきましょう。
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