ギター初心者が少しずつ弾けるようになってきて、カッティング奏法に挑戦したいけど弾き方がわからないといった人も多いかと思います。
特に初心者の方は「見よう見真似でやってみたけど、あまりうまくできない・・・」といって苦手意識を持ってしまう方もいるかと思いますが、カッティングは弾けるとリズムを感じられて楽しいものです。
今回は、カッティング奏法のやり方のコツから練習フレーズを解説していき、カッティングが上手くできない時に陥りやすい症状などの注意点をまとめました。
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目次
ギターのカッティング奏法とは
カッティング奏法とは、一言でいうと「音を切る演奏方法」のことです。
カッティングとブラッシングの違いは、ブラッシングはミュートした弦をストロークすることで音程感のない音出すという意味で、カッティングは休符やブラッシングを混ぜて音を切るという意味です。
ブラッシングや休符(空ピッキング)と組み合わせることで、アクセントをつけてリズミカルなノリを出したり、歯切れよさを出すことができます。
ジャズなどではファンキーなサウンドを生み出したり、近代ロックやポップスなどでも単音カッティングとディレイを組み合わせた幻想的なフレーズを表現したりなど、幅広く活用されています。
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ギターのカッティング奏法の左手のやり方
ギターでカッティング奏法をするときのやり方として、左手のテニクニックが大きく2通りあります。
弦を押さえている左手を浮かして音を切るミュート
音を切る左手のミュートの方法ですが、左手で弦を押さえて右手に持ったピックでピッキングをして音を出した後に、左手の弦を押さえている力を少し緩めて、弦をフレットから浮かして音を切ります。
左手で音を切ってミュートする場合は、左手を弦から離しすぎないように「左手の弦を押さえている力を緩めるだけ」を意識するのがコツです。
余計な音を鳴らさない左手のミュート(余弦ミュート)
ギターのカッティング奏法では、右手は常にストロークを繰り返していますので、右手で持ったピックは様々な弦に触れることになります。
そのため、出したい音以外の余計な音は鳴らさないように、左手の指で鳴らしたくない弦に軽く触れて音をミュートします。
省略コードや単音カッティング奏法などの場合は、左手は握りこみスタイルで弾きたい場合、使っていない親指で低音弦に軽く触れてミュートし、人差し指は弦に触れるくらいに軽く寝かせて高音弦をミュートします。
ギターのカッティング奏法の右手のやり方
ギターでカッティング奏法をするときのやり方として、右手のテニクニックが大きく3通りあります。
右手はオルタネイトストロークでキレを意識する
カッティング奏法を行うときは、右手を常にダウンストロークとアップストロークを交互に繰り返してオルタネイトストロークで弾くことが大切です。
フレーズによってオルタネイトピッキングの場合もありますが、基本的には単音カッティングの場合も右手で全ての弦をストロークしながら、鳴らしたい音以外は左手で余弦ミュートをして弾きます。
また、右手はオルタネイトストロークで弾いていながらも、左手はブラッシングというテクニックを使ってカッティングすることで、ファンキーでパーカッシブな演奏を行うことができます。
オルタネイトストロークでは「右手の手首を硬くしすぎない」ように柔らかく使うことを意識して、リズムを一定に保つことがコツです。
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空ピッキングでリズムキープをする
空ピッキングとは、右手で持ったピックを弦に当てないように空振り(空ピッキング)する演奏方法です。
この際の「音を切る」動作は左手で行うことになりますが、「チャカチャカ」と間の音を出さないことで、ブラッシングとはまた違ったノリを出すことができます。
この時の右手のコツは「空ピッキング」をしたとしてもリズムを崩さずに「右手のストロークを一定に保つ」ことを意識することがコツです。
右手を使った音を切るミュート
カッティング奏法では「音を切る」時に右手を使ってミュートする方法があります。
フレーズによって異なりますが「ピッキングとほぼ同時に右手の手刀部分で瞬間的に抑えてミュート」する場合と「ストロークしてから右手の手刀部分を弦に乗せてミュートする」場合があります。
右手でミュートすることによってタイトなカッティングになります。
ギターのカッティングの練習フレーズ
おしゃれでかっこいい曲を弾いてギターのカッティング奏法がどんどん上手くなっていく方もいます。
カッティング奏法が上手くなるには様々な練習法がありますが、効果的な練習方法は「リズムパターンの音ずらし練習法」です。
カッティング奏法は様々なリズムパターンの組み合わせで成り立っていることが多く、この基礎練習をすることで自分が音を出したいタイミングで自由に音を出しやすくなり、カッティング奏法が上達します。
ここでは教則本にも掲載されているような基本的なカッティングパターンをご紹介しますが、よくあるリズムパターンを応用して自分で様々な練習パターンを作れます。
また、カッティング奏法はリズムとノリをおろそかにしては、フレーズは弾けてもカッティング奏法の表現力は上達しないので、練習するときは必ずメトロノームを使って練習することが大切です。
練習フレーズ1:16分音符を基本とした4分音符のごとに音を鳴らすリズムパターン
まず、基本的な16分音符を基本とした4分音符ごとに音を鳴らすパターンの練習です。
こちらは16分音符の一つ目の音を基本にした練習パターンで、音の表現としては「チャツツツ、チャツツツ、チャツツツ、チャツツツ」です。
こちらは16分音符の二つ目の音を基本にした練習パターンで、音の表現としては「ツチャツツ、ツチャツツ、ツチャツツ、ツチャツツ」です。
こちらは16分音符の三つ目の音を基本にした練習パターンで、音の表現としては「ツツチャツ、ツツチャツ、ツツチャツ、ツツチャツ」です。
こちらは16分音符の四つ目の音を基本にした練習パターンで、音の表現としては「ツツツチャ、ツツツチャ、ツツツチャ、ツツツチャ」です。
練習フレーズ2:16分音符を基本とした付点八分音符のリズムパターン
続いて、基本的な16分音符を基本とし付点は音符パターンの練習です。
これができるようになればほとんどの基本的なカッティング奏法フレーズは対応できるようになりますので、あとはカッティングがかっこいい名曲を弾きこんでいくだけです。
まずオーソドックスな付点八分音符を使ったパターンで、音の表現としては「チャツツチャ/ツツチャツ、チャツツチャ/ツツチャツ」です。
次に、音を一つずらしたパターンで、音の表現としては「ツチャツツ/チャツツチャ、ツチャツツ/チャツツチャ」です。
さらに、音を一つずらしたパターンで、音の表現としては「チャツチャツ/ツチャツツ、チャツチャツ/ツチャツツ」です。
まだまだいきますが、さらに音を一つずらしたパターンで、音の表現としては「ツチャツチャ/ツツチャツ、ツチャツチャ/ツツチャツ」です。
あともう少しです。またまた音を一つずらしたパターンで、音の表現としては「ツツチャツ/チャツツチャ、ツツチャツ/チャツツチャ」です。
あともう少しです。音を一つずらしたパターンで、音の表現としては「チャツツチャ/ツチャツツ、チャツツチャ/ツチャツツ」です。
あと二つです。音を一つずらしたパターンで、音の表現としては「ツチャツツ/チャツチャツ、ツチャツツ/チャツチャツ」です。
最後です。音を一つずらしたパターンで、音の表現としては「ツツチャツ/ツチャツチャ、ツツチャツ/ツチャツチャ」です。
練習フレーズ3:ファンキーなコードカッティングパターン
R&Bやソウルなどでもよく使われる9thコードを使用したファンキーな16ビートのカッティングフレーズです。
「D7(9)コード」から「E7(9)コード」へコード進行をつなげるように半音上がって「D#7(9)コード」を入れることによって、よりファンキーさが際立ちます。
1拍目の付点8分音符はリズムが崩れないように、右手は常に16分音符のオルタネイトピッキングをキープしながら空ピッキングするのがコツです。
練習フレーズ4:レゲエなどで定番の裏打ちカッティングパターン
レゲエやボサノヴァ、サンバなどのラテン系でよく使用される裏打ちのカッティングパターンです。
コード進行は「Aメジャー(Ⅰ)→Eメジャー(Ⅴ)→Dメジャー(Ⅳ)→Eメジャー(Ⅴ)」のレゲエでよく使用されるコード進行パターンです。
全て8分音符のダウンピッキングですが、16音符の時はオルタネイトピッキングになりますので、しっかりとしたピッキングをしましょう。
また、横乗りのリズムをだすために、8分音符をスタッカート気味に左手で音を切ることを意識して弾いてみましょう。
ギターのカッティング奏法が上手くできない時に見直すポイント
ギターのカッティング奏法が上手くできない時に見直すポイントをいくつかまとめました。
カッティング奏法でピックがずれる
カッティング奏法を続けているうちにピックがずれるという場合は、ピックを強く持ちすぎている場合が原因になっていることが多いです。
右手のピックを持っている手に力が入りりすぎているため、ブラッシングをしたときにピックが弦にあたった振動でどんどんピックがどんどんずれていきやすいです。
右手のピックを持つ手は「ピックが落ちないくらいに手を添えている」状態から「少しだけ力を入れる」ことがポイントで、その状態でピックのしなりを利用することを意識することがコツです。
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カッティング奏法で爪が削れる
カッティング奏法で爪が傷れる場合は、ピックを持っている右手でブラッシングをしている時に、ギターの弦側に近すぎる位置でストロークしている場合がありますが、一番の原因は右手のピックの持ち方です。
ピックの握り方が深すぎてピックの先端が少ししかでていない状態のため、ブラッシングをしている間に爪が弦に当たって爪が削れている場合があります。
一度ピックを深く持ちすぎていないか、ピックの持ち方を見直すことが必要ですが、ピックの先端は「1cm程度」見えているのがコツです。
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カッティング奏法で右手の手首が硬い
カッティング奏法のコツは右手を柔らかくスナップを効かせて行うことで切れの良さを出すことができ、リズムも一定に保ちやすくなります。
しかし、どうしても手首が硬い状態から抜け出せないという場合は、右手首を左手で持ち「はたき棒をつかってほこりを払う」ようにゆらゆらと動かかしてみるとコツをつかみやすくなります。
はたき棒を使う時はガチガチに手首を硬くしてると「ゴンゴンゴン」となって上手くほこりをはたけませんし壁を傷つけますので、やさしく「ポンポンポン」とほこりをはらうイメージです。
カッティング奏法でハーモニクス音が鳴ってしまう
カッティング奏法では、ハーモニクスポイントに指がある場合、ブラッシングをしている時にハーモニクス音が鳴りやすくなります。
Aコードでコードカッティング奏法をしていると、1弦と6弦は5フレットのハーモニクスポイントに指がある状態ですので、ハーモニクス音が鳴りやすいです。
その場合は、ブラッシングをするときに、他の指も軽く触れることでハーモニクス音が鳴らないようにすることができます。
また上記の画像の人差し指のように、斜めにして弦に触れてミュートすることでハーモニクス音を鳴らさないようにすることができます。
ピックが弦に引っかかる場合
ピックが弦に引っかかる場合の多くは、アップピッキングが原因の場合が多いです。
アップピッキングのピックの角度がダウンピッキングと同じピックの角度になってしまっているため、ピックが弦にひっかかりやすい状態になっている状態です。
アップピッキングの時は上記の写真のようなピックの角度にしなければなりませんが、これは「手首が硬い」状態で柔らかく使えていない、「弦に対して垂直に右手が振り下ろせていない(ストロークができていない)」場合におこりやすいです。
ミュートした時に変な音が鳴る
カッティング奏法でミュートをした時に変な音がなる場合は、左手を浮かしてミュートをしたとこに「左手を弦から離しすぎてしまっている」場合が多いです。
左手を弦から離しすぎてしまうと、うまく音が切れずに余計な音が鳴ってしまいますし、ブラッシングをしたときに音が鳴ってしまい「チャカチャカ」した音が出せなくなってしまいます。
左手を浮かして音を切ってミュートをするときは、「左手の力を少し抜く」ことで、「弦に少し触れている」状態を意識するのがコツです。
まとめ
ギターのカッティング奏法の弾き方と練習方法について初心者編を解説してきましたが、いかがだったでしょうか。
カッティング奏法ができるようになると、ファンキーなコードカッティング奏法だけでなくギターソロでカッティングを使ったかっこいいフレーズや、カッティング奏法でメロディーを奏でるなど応用することができます。
しっかりとカッティング奏法の基礎を身に着けることで、ギターの演奏の幅を広げることができますので、ぜひチャレンジしてみてください。
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