クリーンブースターという歪まないエフェクターがどのような効果があるか気になっている方も多いのではないでしょうか。
原音を忠実に持ち上げてくれるだけでなく音を太く艶のある音にしてくれる効果もあり、幅広い使い方ができるエフェクターとして多くのギタリストを魅了してきました。
そこで今回は、ギターエフェクターのクリーンブースターについて解説していき、人気機種や定番機種などを厳選してご紹介していきます。
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目次
- 1 ギターエフェクターのクリーンブースターとは
- 2 ギターエフェクターのクリーンブースターのつまみの意味と設定方法
- 3 ギターエフェクターのクリーンブースターの使い方
- 4 ギターエフェクターのクリーンブースターのおすすめ
- 4.1 XOTIC EP Booster
- 4.2 Xotic RC Booster V2 RCB-V2
- 4.3 MXR M133 MICRO AMP
- 4.4 MXR MC401 Boost/Line Driver
- 4.5 Fulltone Fat-Boost 3
- 4.6 EX-Pro 32volt CLEAN BOOSTER
- 4.7 Keeley KATANA Boost
- 4.8 SUHR Koko Boost Reloaded
- 4.9 JHS Pedals Prestige
- 4.10 t.c.electronic Spark Mini Booster
- 4.11 One control Granith Grey
- 4.12 One control Purple Humper
- 5 まとめ
ギターエフェクターのクリーンブースターとは
ギターの「クリーンブースター(Clean Booster)」とは、ギターの音を変えずに原音の入力レベルを上げるエフェクターのことを言います。
2008年頃あたりにクリーンブースターという言葉は定着してきましたが、純粋に音量を上げるエフェクターはギタリストの間で密かに人気を集めているエフェクターです。
オーバードライブやディストーションのように歪ませることはなく、イコライザーやコンプレッサーのように音を補正することもなく、ギターの音量を増幅させるのと同時に原音が太くツヤのある音になる効果があります。
バッファーはインピーダンスを下げることを目的としたエフェクターですが、クリーンブースターの特徴から「バッファー兼クリーンブースター」といわれることも多いです。
パッシブタイプのサーキットを持つギターであってもアクティブサーキットのメリットを手に入れられるため、ギターの音を「ぐっ」と前に出したいブースターとしての使い方だけでなく、踏みっぱなしにしてバッファーのような使い方をするなど幅広い使い方ができます。
ギターエフェクターのクリーンブースターのつまみの意味と設定方法
クリーンブースターはつまみが一つだけなどエフェクターのなかでもシンプルな設計になっている機種も多いですが、基本的には「LEVEL・TONE・GAIN」の3つがあります。
クリーンブースターの「LEVEL(レベル)」のつまみの意味と設定方法
クリーンブースターの「LEVEL(レベル)」は音量を調節をするためのつまみです。
また、「volume(ボリューム)」と書かれている場合もあります。
つまみを右に回せば音量が上がり、左に回せば音量が下がります。
クリーンブースターの「TONE(トーン)」のつまみの意味と設定方法
クリーンブースターの「TONE(トーン)」は音色を調整をするためのつまみです。
また、「TREBLE(トレブル)、MIDDLE(ミドル)、BASS(ベース)」と分かれている場合もあります。
TONEは基本的に「ローパスフィルター」の役割になっており、ツマミを右に回せば音が明るく鋭い音になり、左に回せば音が暗く丸みのある音になります。
また、「TREBLE(トレブル)、MIDDLE(ミドル)、BASS(ベース)」は基本的には「TREBLE(トレブル)=高音域」「MIDDLE(ミドル)=中音域」「BASS(ベース)=低音域」の役割となっています。
各つまみを右に回せば特定の周波数帯をブースト、左に回せば特定の周波数帯をカットすることができますので、より繊細な音作りができます。
クリーンブースターの「GAIN(ゲイン)」のつまみの意味と設定方法
クリーンブースターの「GAIN(ゲイン)」は歪み具合を調節をするためのつまみです。
また、「Drive(ドライブ)」や「Boost(ブースト)」と書かれている場合もあります。
つまみを右に回せば歪みの量が増し、左に回せば歪みの量が減ります。
ギターエフェクターのクリーンブースターの使い方
クリーンブースターは、ギターの音を変えずに原音の入力レベルを上げることができる特徴があるため、ギタリストの目的に合わせていくつかの使い方ができます。
そのなかでも、代表的なクリーンブースターの使い方をご紹介していきます。
クリーンブースターをゲインブースターとして使用する使い方
クリーンブースターをゲインブースターとして使用する使い方の場合です。
クリーンブースターの繋ぎ方をメインの歪みの前になるように「クリーンブースター→メインの歪み」という順番で歪みの前段にセッティングしておきます。
アンプやドライブペダルへの入力ゲインを増幅させることで、さらに深い歪みになり音圧や歪みの量を増やすことができます。
クリーンブースターをボリュームブースターとして使用する使い方
クリーンブースターをボリュームブースターとして使用する使い方の場合です。
クリーンブースターの繋ぎ方をメインの歪みの後になるように「メインの歪み→クリーンブースター」という順番で歪みの後段にセッティングしておきます。
アンプやドライブペダルへの出力ゲインを増幅させることで、アンプやメインの歪みエフェクターの音作りを活かしたまま音量を稼いでギターの音を前に出すことができます。
また、アンプで歪みを作っている場合はセンドリターンにクリーンブースターをセッティングしておきます。
クリーンブースターをバッファーとして使用する使い方
クリーンブースターをバッファーとして使用する使い方の場合です。
クリーンブースターの繋ぎ方をエフェクターの際前段になるように「ギター→クリーンブースター」という順番でクリーンブースターをかけっぱなしでセッティングしておきます。
インピーダンスを下げることで外的な要因による音質劣化を防ぎ、ノイズの低減や音ヤセ対策はもちろん、原音が太くツヤのある音になります。
ギターエフェクターのクリーンブースターのおすすめ
ギターエフェクターのクリーンブースターのなかでも人気のある機種や定番とされている機種、名機などを厳選してご紹介していきます。
XOTIC EP Booster
エリック・ジョンソンが愛用しているテープエコー、エコープレックスのプリアンプ効果をシミュレートしたクリーンブースターです。
ツマミが1つだけというシンプルなブースターではありますが、内部のスイッチによりゲインをブーストしたり、ブライトなサウンド特性にしたりすることができます。
また、電源も標準的な9Vから18Vまで昇圧に対応しているので、より広いヘッドルームを求めることもでき、幅広い音作りが可能です。
原音を真空管アンプのように太く煌びやかなサウンドにして持ち上げてくれるため、XOTIC EP Boosterを通すだけでかっこいい音になるという特徴が人気の理由の一つです。
Xotic RC Booster V2 RCB-V2
原音を忠実に持ち上げるため音痩せ防止のバッファーとしても使用されることも多い、ブティック系エフェクターの先駆けで有名となった「XOTIC RC Booster」のV2です。
ゲインを2種類セッティングしてペダルにあり2つのフットスイッチで切り替えることができるほか、トーンコントロールにBASSとTREBLEの2バンド方式を採用しているため、多彩な音作りが可能です。
また、EP Boosterと同様に電源も標準的な9Vから18Vまで昇圧に対応しているので、より広いヘッドルームを求めることもでき、幅広い音作りが可能です。
MXR M133 MICRO AMP
クリーンブースターという言葉が流行する前から、既にクリーンブースターの機能を持っていたエフェクターです。
現代の原音に忠実なクリーンブースターとは若干異なり、少しミドルレンジからハイレンジが持ち上がり、豊かな倍音が付加された音圧のある音質になる特徴があります。
GAINを調節するだけというシンプルな1ノブ設計であり、余計な味付けをせずに純粋に音圧を上げることができるところが世界中のギタリストに愛用されている理由の一つです。
MXR MC401 Boost/Line Driver
MXRとCAEがコラボした有名なクリーンブースターです。
ボリュームを変えるツマミが1つだけというかなりシンプルな構成ではありますが、通すだけで音が前に出て艶やかさが得られることから、エフェクト間のレベルマッチングなどの解決に見事なまでに効果を発揮してくれます。
バッファーとしても支持されており、エフェクターの一番手前でつけっぱなしにするのも定番の使い方です。
また、シンプルでダイナミックなオーバードライブと、独立したクリーンブーストサーキットの一体型モデル「MC402 Boost Overdrive」もおすすめです。
Fulltone Fat-Boost 3
クリーンブースターとして定番機種でもある「Fat Boost」です。
クラスAのディスクリート回路で構成されているので入力信号の音色を変えることなく最大35dBまでブースト可能であり、BassとTrebleのEQで細かな音作りが可能です。
また、FET Biasを11段階で調整するゲインコントロールを搭載しており、DRIVEで歪みを調節することでクリーンブーストからゲインブーストまで対応できます。
EX-Pro 32volt CLEAN BOOSTER
超低ノイズがウリのEX-PROのクリーンブースターです。
まさにこれぞクリーンブースターという趣旨を感じさせてくれるほど歪みが少なく、音は純粋に太く、ノイズが全くないという原音に一切の味付けをせずにギターの音を強くしてくれます。
通常の9VACアダプターで動作するのはもちろんですが、エフェクター内部で32Vまで昇圧に対応しているので、大きなヘッドルームを確保することで高品質な音質を得ることができます。
Keeley KATANA Boost
ジョン・メイヤーも愛用していることで有名なクリーンブースターです。
本体側面にVOLUMEツマミのみを搭載したシンプルなチューブアンプライクな音色を生み出すFET回路のフルレンジブースターであり、内部昇圧により生み出される余裕のあるヘッドルームにより生み出されるリッチなサウンドが特徴です。
ノイズレス機能とハイグレードな音質で綺麗に全ての音域を持ち上げてくれるほか、VOLUMEツマミをあげていくことでトレブルブースターとなり、ハリとガッツのある極太オーバードライブを堪能できます。
SUHR Koko Boost Reloaded
高級なギターやエフェクターのメーカーとして有名なSuhrのクリーンブースターです。
クリーンブーストとミッドブーストの両立をしているエフェクターであり、「Boost」のつまみで全体のブースト量、「Mid Boost」のつまみでミドルレンジのブースト量を変えることができます。
また、本体中央部の3Wayスイッチを切り替えることでブーストの周波数を切り替え、「Mid Q」のつまみで周波数の幅を調整することができるので、1台で多彩な音作りが可能になります。
さらにフットスイッチの長押しでクリーンブースター/ミッドブースターを切替えて使うことができるという画期的なペダルです。
JHS Pedals Prestige
近年、人気急上昇中のエフェクターメーカーJHS社のつまみの位置によって機能が変わる多機能モデルです。
つまみが一つという構成ですが、「ノブがゼロならバッファー」「ノブが12時くらいまではクリーンブースター」「ノブが12時以降は徐々に倍音が付加されるエンハンサー兼ブースター」として使用できます。
最大+27dBまでブースト可能なブースターですが、ブーストノブ0で長いケーブルを引き回すことで発生する音質劣化を防ぐバッファーとしても使用できます。
t.c.electronic Spark Mini Booster
空間系エフェクターに定評のあるTC Electronicが2013年にリリースしたミニサイズのクリーンブースターです。
フットスイッチにPrimeTimeというラッチ式とモメンタリー式を切り替えができる機能が搭載されており、「短く踏むと、通常のオン/オフ」「長く踏むと踏んだときだけオン、離したときにオフ」という使い分けが可能になっています。
全帯域を等しくブーストするような特性を持ち、ブースターやバッファーとして使いやすく、兄弟機の「Spark Booster」はEQ搭載となっているため、さらに細かく音作りが可能です。
One control Granith Grey
アルミ削り出しの彫刻のようなデザイン性の高い外装が特徴的なクリーンブースターです。
徹底的なローノイズを追求しているクリーンブースターであり、ダイナミックレンジをそのままスムーズに持ち上げてくれるため、非常にクリーンで音質変化の少ないサウンドが特徴です。
歪みのキャラクターを全く変えずにゲインブースターとして歪みの量だけ増やしたり、音質を全く変えることなく音量だけを持ち上げるボリュームブースターとしても使いやすいです。
One control Purple Humper
「Granith Grey Booster」が全く味付けのないクリーンブースターなのに対し、「Purple Humper」は味付けをすることを使命としているブースターです。
つまみが「BLEND」の1種類だけですが、ストラトキャスターに搭載されたミッドブースト回路を元にしたミッドレンジブースターであり、原音にブーストサウンドを付け加えていくことで音作りをするブースターです。
ミドルレンジが持ち上がることでサウンドの濃度が上がるような感覚を得ることができます。
まとめ
ギターエフェクターのクリーンブースターのおすすめについてご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。
クリーンブースターは単純にゲインブースターやボリュームブースターとしてだけでなく、原音を太く艶のある音にしてくれるほか、バッファーとして使用したりすることもできるなど幅広い使い方ができます。
是非、自分の求めているサウンドを実現できるクリーンブースターを見つけていきましょう。
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