ギターのピック弾きと同様に指でストロークをしたいという方も多いのではないでしょうか。
ピックなしでも指弾きで指の腹や指の爪を使ってストロークをする「フィンガーストローク」という演奏方法がありますが、基本的なストロークができているのであればギター初心者で難しいことはありません。
そこで今回はフィンガーストロークのやり方やコツ、練習フレーズなどを解説していき、フィンガーストロークがうまくできない時に陥りやすい症状などの注意点をまとめました。
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目次
ギターのフィンガーストロークとは
ギターのフィンガーストロークとは、指弾きでストロークをする演奏方法です。
指の爪でストロークした場合は「ピック弾きのような輪郭があるはっきりとした音」になり、指の腹でストロークした場合は「指弾き独特の丸い音」になり、ニュアンスの自由度が高いです。
また、アルペジオとストロークなどの切り替えはもちろん、「チャッ」という音をだすストリングヒットやネイルアタック、ラスゲアート奏法など様々な演奏方法を組み合わせることができます。
アコースティックギター(アコギ)はもちろん、エレキギターの演奏でも幅広く活用されています。
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ギターのフィンガーストロークの右手の構え方
ギターのフィンガーストロークの右手の構え方は「何かを指先で摘まんでいる」形がおすすめです。
床に落ちているハンカチを「人差し指と親指で摘まむようにとる」か「中指と薬指と親指で摘まむようにとる」ようにすると、自然と右手全体がリラックスした形になります。
どちらの手の形にするかは、後述する「指の爪」でストロークをするか、「指の腹」でストロークをするかなどで変わってきます。
爪で弾く場合の爪の長さは深爪にならないようにする
ストロークを爪で弾く場合は、深爪にならないように「爪半月(つめはんげつ)」という白い部分を残すようにします。
アコギをメインに弾くフィンガースタイルやソロギターの方で爪を伸ばすギタリストもたくさんいますが、ピック弾きと同様に爪弾きで得られる「シャリ」とした明るい音色にしたいという意図があります。
そのため、普段はギターをピックで弾くという方や他の楽器でピアノを弾くという方で爪を伸ばせないという場合も、無理に爪を伸ばす必要はありません。
ただ、爪が短い場合は「爪と指先の肉で弾く」という感じになりますので、爪を伸ばして弾く場合と比べて音は柔らかくなりますが、音質の好みによって決めて問題ありません。
爪で弾く場合は爪のケアをする
ストロークを爪で弾く場合は、爪にそれなりに負担がかかるので「爪が削れる」「爪が割れる」といったように、とても爪に傷がつきやすいです。
アコギをメインにしているフィンガースタイルやソロギターのギタリストは、爪の手入れをして爪をケアしている方がほとんどで、爪で弾く時間が長いのに爪のケアを怠るとすぐに爪がボロボロになってしまいます。
爪の強度を強化する方法として、爪に使用するネイルでコーディングして爪を補強することが多いですが、なかには付け爪やフィンガーピックで補強するギタリストもいます。
ギターのフィンガーストロークのやり方
ギターのフィンガーストロークは「人差し指」「中指と薬指」「親指」の組み合わせで弾きます。
そこに指の腹や指の爪を使うことによって、様々なバリエーションで弾くことができます。
フィンガーストロークでダウンストロークするやり方
ギターのフィンガーストロークでダウンストロークするやり方は3種類あります。
人差し指の爪で弾くダウンストローク
まずはオーソドックスな「人差し指の爪で弾くダウンストローク」のやり方です。
ピックを持つ右手の形と同じで人差し指に親指を添えて、人差し指の爪の部分で弦をダウンストロークしていきます。
ピック弾きと同じ感覚で弾けるのでとても弾きやすく、人差し指に親指を添えていることで爪への負担を和らげることができ、音量も出しやすくなります。
また、人差し指の爪を使ったダウンストロークなので、明るい音色が得られます。
中指と薬指の爪で弾くダウンストローク
次に「中指と薬指の爪で弾くダウンストローク」のやり方です。
床に落ちているハンカチを「中指と薬指と親指で摘まむようにとる」ような右手の形から少し中指と薬指を手のひら側に閉じます。
弦を弾くときにデコピンするときのような感覚で中指と薬指を広げ、中指と薬指の爪でダウンストロークをしていきます。
中指と薬指の2本の指で弾くので、少し「シャラーン」とした音の広がりがあり、指の爪で弾くので明るい音色になります。
また、中指と薬指の広げ方の力加減を調整することによってアタック感も出すことができます。
親指の腹で弾くダウンストローク
最後に「親指の腹で弾くダウンストローク」のやり方です。
親指の腹のを弦に対して斜めに当てるように構えて、親指で弦をなでるようにダウンストロークをします。
指の腹を使った独特の丸い音色が特徴で、クイックアルペジオなど気持ちを込めて弾きたい場合に用いることで際立ちます。
ギターのフィンガーストロークでアップストロークするやり方
ギターのフィンガーストロークでアップストロークするやり方は3種類あります。
人差し指の腹で弾くアップストローク
まず「人差し指の腹で弾くアップストローク」のやり方です。
人差し指の腹が弦に対して斜めに当てるようにように構えて、低音弦側に向かうように人差し指を手のひらの内側に払うようにアップストロークをします。
指の動作は「ホコリがたまっているのを指でとる」ようなイメージです。
指の腹を使った独特の丸い音色が特徴で、少し人差し指の爪の裏が弦に当たるようにすれば少し明るいトーンが得られます。
中指と薬指の腹で弾くアップストローク
次に「中指と薬指の腹で弾くアップストローク」のやり方です。(先ほどの人差し指の腹でアップストロークをするやり方と同様です。)
中指と薬指の腹が弦に対して斜めに当てるようにように構えて、低音弦側に向かうように中指と薬指を手のひらの内側に払うようにアップストロークをします。
中指と薬指の2本の指で弾くので、少し「シャラーン」とした音の広がりがあり、指の腹を使った独特の丸い音色が特徴です。
また、少し中指と薬指の爪の裏が弦に当たるようにすれば少し明るいトーンが得られます。
親指の爪で弾くアップストローク
最後に「親指の爪で弾くアップストローク」のやり方です。
ダウンストロークで振り切ったあとの右手の手の位置から、少しだけ親指を出すだけのような形で構えます。
その手の位置で、親指から引っ張り上げようとするように下から上へ振り上げて全部の弦を弾ききりアップストロークをします。
また、親指の爪を使ったアップストロークなので、明るい音色が得られます。
ギターのフィンガーストロークの練習フレーズ
ギターのフィンガーストロークの基礎練習の練習フレーズを、教則本などにも掲載されているような基本パターンでいくつかご用意しました。
ストロークパターンはたくさんありますが、まずは基本となる「4ビート、8ビート、16ビート」からはじめましょう。
練習フレーズ1:4ビートのフィンガーストローク
まずは基本的な4ビートのストロークパターンです。
全てダウンストロークで「ジャン|ジャン|ジャン|ジャン」を、「人差し指で弾く」「中指と薬指で弾く」「親指で弾く」の3パターンで弾いていきましょう
練習フレーズ2:8ビートの裏でカッティングするフィンガーストローク
次に8ビートの裏のみをストロークパターンです。
全てアップストロークで「ン|ジャ|ン|ジャ|ン|ジャ|ン|ジャ」を、「人差し指で弾く」「中指と薬指で弾く」「親指で弾く」の3パターンで弾いていきましょう
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練習フレーズ3:8ビートのフィンガーストローク
次に基本的な8ビート(エイトビート)のストロークパターンです。
指でダウンストロークとアップストロークを繰り返してオルタネイトストロークで「ジャカ|ジャカ|ジャカ|ジャカ」と弾いていきましょう。
組み合わせのパターン
- ダウンストローク:人差し指/アップストローク:親指
- ダウンストローク:中指・薬指/アップストローク:中指・薬指
- ダウンストローク:中指・薬指/アップストローク:親指
8ビート(エイトビート)が安定してフィンガーストロークができてきたら、「一拍目と三拍目にアクセント」を意識して弾いてみましょう。
練習フレーズ4:16ビートのフィンガーストローク
最後に少しゆったりとしたバラードやBPMは少しゆっくりでもアップテンポな楽曲などで使われる基本的な16ビートのストロークパターンです。
リズムを音で表現すると「ジャンジャン|ジャンジャカ|ジャカジャン|ジャンジャカ」ですので、口ずさみながらフィンガーストロークをすると感覚がつかみやすいと思います。
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ギターのフィンガーストロークが上手くできない時に見直すポイント
ギターのフィンガーストロークが上手くできない時に見直すポイントをいくつかご紹介します。
親指のアップストロークが引っ掛かる
親指のアップストロークが引っ掛かる場合は、ダウンストローク後の親指の形がうまく作れていないことが原因です。
ダウンストロークで振り切ったあとの右手の手の形から、「少しだけ親指を出すだけのような」な形を作ります。
そのまま「親指から引っ張り上げる」ように「親指の爪たり」を使って下から上へ振り上げてアップストロークをしていきます。
まとめ
ギターのフィンガーストロークの弾き方と練習方法について初心者編を解説してきましたが、いかがだったでしょうか。
フィンガーストロークができるようになると、フィンガーピッキングやアコギ特有の奏方法と組み合わせやすくなり、演奏の幅が広がります。
また、アコギだけでなくエレキギターでも活用できる演奏方法ですので、ぜひチャレンジしてみてください。
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