ギターの音量を周期的に変化させることができるトレモロエフェクターは、モジュレーション系エフェクターに分類されるエフェクターです。
サーフミュージックなどでジャンルを中心にコードストロークやアルペジオ、単音引きやギターソロなどで使われていることは有名ですが、セッティングやアイデア次第では飛び道具のような使い方もできます。
現代では技術の発達により様々なメーカーから多種多様なトレモロエフェクターが販売されているため、選択肢が広く自分の求めている理想のサウンドはあるものの選び方に悩むことも多いかと思います。
そこで今回は、ギターエフェクターのトレモロについて解説していき、人気機種や定番機種などを厳選してご紹介していきます。
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目次
- 1 ギターエフェクターのトレモロとは
- 2 ギターエフェクターのトレモロの波形の種類
- 3 ギターエフェクターのトレモロのつまみの意味と設定方法
- 4 ギターエフェクターのトレモロの使い方
- 5 ギターエフェクターのトレモロのおすすめ
- 5.1 BOSS TR-2 Tremolo
- 5.2 Fulltone Supa-Trem ST-1
- 5.3 Electro-Harmonix Stereo Pulsar
- 5.4 One Control Tiger Lily Tremolo
- 5.5 Mr. Black Deluxe Plus
- 5.6 Wampler Pedals Latitude Deluxe
- 5.7 TC Electronic PIPELINE TAP TREMOLO
- 5.8 TC Electronic CHOKA TREMOLO
- 5.9 Fender TRE-VERB DIGITAL REVERB/TREMOLO
- 5.10 STRYMON FLINT
- 6 まとめ
ギターエフェクターのトレモロとは
ギターの「トレモロ(TREMOLO)」とは、ギターの原音を周期的に音量を上げ下げすることで、音量に揺らぎを与えることができるエフェクターのことを言います。
単一の信号をLFO(低周波発振器)と呼ばれる電気回路により音量を変化させることで音量が上下するため、音がクリアかつ断続的に聞こえるのが特徴です。
また、トレモロとビブラートは似たような揺れ方をしますが、トレモロは「音量変化」であるのに対し、ビブラートは「音程変化」であるというエフェクト効果の違いがあります。
基本的にトレモロは音量が周期的に上下するため、ミュートや休符を混ぜながら弾くカッティングのような細かいプレイには向いていませんが、ゆったりとしたコードストロークやアルペジオなどと相性は抜群です。
単純な機能であるがゆえに奥の深いエフェクターであり、緩やかなトレモロ効果からマシンガンのような強烈なトレモロ効果まで使い方によって幅広いサウンドメイクができます。
ギターエフェクターのトレモロの波形の種類
ギターエフェクターのトレモロの波形の種類は「三角波」「サイン波」「矩形波(くけいは)」の3種類があります。
トレモロの三角波の特徴
トレモロの三角波はなめらかで直線的な音量変化が特徴です。
滑らかに音量が直線的に上下するので、緩やかな音量変化を得たい場合に適しており、なめらかに存在感を引き立たせたいときに使うことが多い波形です。
トレモロのサイン波の特徴
トレモロのサイン波はなめらかで曲線的な音量変化が特徴です。
滑らかに音量が曲線的に上下するので、緩やかな音量変化を得たい場合に適しており、メリハリをつけて存在感を引き立たせたいときに使うことが多い波形です。
トレモロの矩形波の特徴
トレモロの矩形波はスイッチをオンオフしているような音量変化が特徴です。
極端に音量が上下するので、断続的な音量変化を得たい場合に適しており、マシンガンのような音も出すことができるため、飛び道具的に使うことが多い波形です。
ギターエフェクターのトレモロのつまみの意味と設定方法
トレモロはエフェクターによってはつまみがたくさんある機種もありますが、基本的には「RATE・DEPTH・WAVE」の3つがあります。
トレモロの「RATE(レイト)」のつまみの意味と設定方法
トレモロの「RATE(レイト)」は、音量が変化する周期の速さを調整するためのつまみです。
また、「SPEED(スピード)」と表記されていることもあります。
つまみを右に回せば音量が変化する周期の速さは速くなり、左に回せば音量が変化する周期の速さは遅くなります。
トレモロの「DEPTH(デプス)」のつまみの意味と設定方法
トレモロの「DEPTH(デプス)」は、音量が変化する幅を調整するためのつまみです。
また、「WIDTH(ウィドゥス)」と表記されていることもあります。
つまみを右に回せば音量が変化する幅は広がり、左に回せば音量が変化する幅は狭くなります。
トレモロの「WAVE(ウェイブ)」のつまみの意味と設定方法
トレモロの「WAVE(ウェイブ)」は、音量が変化する波を調整するためのつまみです。
また、「SHAPE(シェイプ)」と表記されていることもあります。
つまみを右に回せば音量が変化する波は極端になり、左に回せば音量が変化する波はなめらかになります。
ギターエフェクターのトレモロの使い方
トレモロは目的に合わせて幅広い使い方ができるエフェクターの一つです。
ギタリストによっては目的に合わせてトレモロの使い方はいくつかあるため、代表的なトレモロの使い方をご紹介していきます。
コードストロークやアルペジオにトレモロを組み合わせる使い方
コードストロークやアルペジオにトレモロを組み合わせる使い方です。
トレモロの音量が変化する周期の速さを曲調に合わせてコードストロークやアルペジオを弾くことで、サーフミュージックやレトロなサウンドになります。
16ビートのような細かいリズムよりも、ゆったりとしたリズムや曲調と相性が良いです。
トレモロでマシンガンサウンドにする使い方
トレモロでマシンガンサウンドにする使い方です。
代表的案飛び道具としての使い方でもありますが、トレモロの音量が変化する周期の速さを最大にしておき、波形は矩形波、音量が変化する幅は最大にすることでマシンガンサウンドになります。
また、トレモロ効果の掛かり方を少しだけ緩やかにすれば、トレモロ奏法のようなサウンドにもすることができます。
ギターエフェクターのトレモロのおすすめ
ギターエフェクターのトレモロのなかでも人気のある機種や定番とされている機種、名機などを厳選してご紹介していきます。
BOSS TR-2 Tremolo
BOSSの人気トレモロ「TR」シリーズのの現行モデルです。
ヴィンテージアンプに内蔵されるレトロでなめらかな台形波トレモロを忠実に再現しており、オーソドックスなトレモロサウンドから機関銃のような過激な効果まで幅広い音作りが可能です。
波形の切り替えがスイッチではなくつまみで調整できるため、音作りの幅が広く音作りがしやすいことから、愛用しているプロのギタリストも多いのでおすすめです。
Fulltone Supa-Trem ST-1
ハンドメイドエフェクターとして定評のある「Fulltone(フルトーン)」から最高のアンプ風トレモロサウンドと言われているトレモロエフェクターです。
つまみは足先でも操作しやすい大型ノブを採用しており、「RATE」で音量変化のスピード、「MIX」でトレモロ効果の調整をすることができます。
さらにバイパス以外のフットスイッチで演奏中に「HALF SPEED」でトレモロのスピードを半分にしたり、「HARD/SOFT」で「SOFT(サイン波)」と「HARD(矩形波)」の2種類の波形を切り替えることができます。
また、よりインテリジェントにバージョンアップした「Fulltone Supa-Trem Jr」や、2基のSupa-Tremを同期させた「Fulltone Supa-Trem 2」もおすすめです。
Electro-Harmonix Stereo Pulsar
エレクトロハーモニクスによるヴィンテージアンプの美しいトレモロを再現しているトレモロペダルです。
フルアナログならではの温かみのある音色が特徴であり、基本的なコントロールである「Depth」「Rate」「Shape」に加え、トグルスイッチで三角波と矩形波を選択できるので操作性が抜群です。
また、アンプ2台でステレオ出力にすることでパンニングエフェクトが得られるため、ファンタジー感のある立体的な音の広がりを演出することができるのが最大の魅力です。
One Control Tiger Lily Tremolo
小型エフェクターに定評のある「One Control」のトレモロペダルです。
往年のヴィンテージアンプに搭載されたトレモロエフェクトのサウンドを再現しており、ゆったりとした滑らかな掛かり方でありながらもクリアできらびやかなサウンドが特徴です。
コストパフォーマンスも高く過激なトレモロ効果はもちろん、爽やかなトレモロ効果まで音作りがしやすいため、非常に使い勝手が良いモデルでおすすめです。
Mr. Black Deluxe Plus
「スプリングリバーブ」と、ヴィンテージアンプに搭載されていた「バイアス変調トレモロ」を組み合わせたユニークなペダルです。
60年代前期のギターアンプに搭載されていたトレモロシステムであるバイアス変調トレモロにより、アンプの出力自体を周期的に変化させて音の揺らぎを得るトレモロサウンドが特徴です。
また、3つのつまみによりトレモロの音量が変化する深さ、音量が変化する周期の速さ、リバーブの強さを調節できるので幅広いシチュエーションで活躍するエフェクターです。
Wampler Pedals Latitude Deluxe
アナログ回路とデジタル回路を使ったハイブリット回路のトレモロです。
アナログ回路による温かみのあるサウンドを実現しながらも、コントール部にデジタル回路を用いることで細かな音作りが可能にしています。
また、音量が変化する周期の速さをタップテンポスイッチでコントロールすことができるほか、トグルスイッチで波形を3種類から選択、4種類のリズムから波の間隔を選ぶことができなど多機能なトレモロエフェクターです。
TC Electronic PIPELINE TAP TREMOLO
高品質な音楽機材をリリースしている「TC Electronic」による高機能なトレモロペダルです。
Subdivisionノブによるトレモロ波のリズムパターンを選択することができるほか、タップテンポ機能搭載、TonePrint Editorによる最大4小節までの間での効果の細分割化を実現するなど多機能な仕様になっています。
また、「TonePrint」機能により世界のトップギタリスト達が作った多彩なギターサウンドを再現できるのでおすすめです。
TC Electronic CHOKA TREMOLO
60年代のサーフミュージックで聴くようなクラシックなトレモロサウンドを再現したリーズナブルなペダルです。
アナログ回路で暖かみのあるレトロなトレモロサウンドが特徴であり、つまみは「SPEED」「DEPTH」「LFO」の3ノブ構成になっており、シンプルで使いやすいトレモロペダルです。
コストパフォーマンスも高く価格も安いため、トレモロ入門機種としておすすめのモデルです。
Fender TRE-VERB DIGITAL REVERB/TREMOLO
1963年製/65年製のフェンダーアンプに搭載されるトレモロ/リバーブをコンパクトにしたペダルです。
トレモロエフェクト部には「Optical/Bias/Harmonic Vibrato」といったクラシックなトレモロサウンドを備えており、3つのコントロールノブで柔軟な音作りが可能です。
また、リバーブエフェクト部には63年と65年のスプリングリバーブ、そしてプレートリバーブといったフェンダーの人気のリバーブサウンドが詰まっており、3つのコントロールノブで柔軟な音作りが可能です。
さらにステレオ入出力に対応、タップテンポ入力にも対応など機能面でも充実した多機能なトレモロ&リバーブエフェクターです。
STRYMON FLINT
空間系エフェクトに定評のある「STRYMON(ストライモン)」によるヴィンテージアンプに搭載されたエフェクト部だけを取り出したようなユニークなトレモロ&リバーブです。
トグルスイッチによって3種類の「’61 harm」「’63 tube」「’65 photo」を切り替えることができ、搭載されたアンプと発売された時代にもとづく特徴的なクラシックなトレモロサウンドを選択することができます。
また、高品質なリバーブエフェクトも搭載されており、トレモロ&リバーブエフェクターとして高品質なエフェクターです。
まとめ
ギターエフェクターのトレモロのおすすめについてご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。
単純な機能であるがゆえに奥の深いエフェクターであり、緩やかなトレモロ効果によるコードストロークやアルペジオはもちろん、セッティングやアイデア次第では飛び道具のような使い方もできます。
是非、自分の求めているサウンドを実現できるトレモロを見つけていきましょう。
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