ギターの「ポーン」という高く澄んだ音色は魅力的ですよね。
ナチュラルハーモニクスはエレキギターだけでなくアコースティックギター(アコギ)やベースはもちろん、ヴァイオリンやウクレレなど様々な弦楽器で使えるテクニックです。
そこで今回は、ナチュラルハーモニクスのやり方からコツ、練習フレーズについて解説していき、ナチュラルハーモニクスが上手くできない時に陥りやすい症状などの注意点をまとめました。
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目次
ギターのナチュラルハーモニクスとは
ギターのナチュラルハーモニクスとは、開放弦で特定のフレット上で出すことができるハーモニクス音(倍音)のことを意味します。
特定のフレット上で指が弦に軽く触れる程度の状態でピッキングし、直後に指を離すことによってハーモニクス音(倍音)を出すことができます。
また、ピッキングハーモニクスは金属的な音色の倍音でしたが、ナチュラルハーモニクスは柔らかくまろやかな音色の倍音という違いがあります。
ナチュラルハーモニクスだけでフレーズを作ることもでき、フレーズのアクセントや叙情性を表現したい時によく用いられるテクニックです。
ギターのナチュラルハーモニクスポイント
ギターのナチュラルハーモニクス音が鳴る場所は決まっており、これをハーモニクスポイントと言います。
上記の表はレギュラーチューニングの場合ですが、上記以外でもハーモニクスポイントは存在し、「5フレット」「7フレット」「12フレット」ハーモニクス音を鳴らしやすくよく使われるポジションです。
ハーモニクス音の音程は
- 5フレット(17フレット):1st(主音)/4倍音(2オクターブ上)
- 7フレット(19フレット):5th(完全5度)/3倍音(1オクターブと5度上)
- 12フレット:1st(主音)/2倍音(1オクターブ上)
と覚えることをおすすめします。
また、ギターではブリッジからナットまでの中間の距離(12フレット)を中心として、ハーモニクスポイントが左右対称(ポジションではなく距離)になっています。
ギターのナチュラルハーモニクスの原理
ギターのナチュラルハーモニクスの原理は、倍音の仕組みを利用したものです。
音の高さは周波数によって決まりますが、基本となる周波数の他に「主音の2倍・3倍・4倍」と整数倍の周波数の振動がいくつも生じています。
この整数倍の振動のことを「倍振動」といい、それぞれの音のことを「倍音」いいます。
基音の振動は「弦を両端で固定してどこも押さえずに弦を弾くことで、振動が両端で反射して弦に定常波が生じている状態」です。
倍音の振動は2倍音を例に出すと「弦の長さのちょうど半分のところを指で軽く触れてその片側を弾くことで、基音の振動がさえぎられ主に2つの振動がおこる状態」です。
そのため、振動する数が増えるほど基音の振動がさえぎられて澄んだ音になり、基音の振動がさえぎられることにより音量が小さくなっていきます。
ギターのナチュラルハーモニクスのやり方
ギターのナチュラルハーモニクスのやり方について、いくつかコツをご紹介します。
ハーモニクスポイントに指を軽く触れる
まず、ハーモニクスポイントに指を軽く触れます。
ハーモニクスポイントを押さえる指は「弦がほんの少しだけ指で押さえられてたゆんでいる状態」にしておき、ハーモニクスポイントの真上を押さえるのがコツです。
左手で押さえる指はなんでもよいですが、ギター初心者の方は人差し指か中指がおすすめです。
ピッキングした直後に指を離す
次に、ピッキングした直後に指を離します。
感覚的には「ピッキングした0.1秒後くらい」ですが、ほとんど弾いたと同時くらいに指を離すのがコツです。
指を置いたままでもハーモニクス音(倍音)は鳴りますが、ピッキングした直後に指を離すことでサスティーンが得られてロングトーンとなります。
ギターのナチュラルハーモニクスの練習フレーズ
ギターのナチュラルハーモニクスの練習フレーズを教則本などにも掲載されているような簡単なパターンでいくつかご用意しました。
楽譜やTAB譜(タブ譜)上でナチュラルハーモニクスは「◇、N.H」という記号で表記されています。
練習フレーズ1:学校のチャイム
ナチュラルハーモニクスの基礎練習におすすめの練習フレーズです。
「学校のチャイム」はナチュラルハーモニクスだけで弾くことができるので、ネタとしてもおすすめです。
練習フレーズ2:ナチュラルハーモニクスでアクセントを入れるフレーズ
次にナチュラルハーモニクスでアクセントを入れる練習フレーズです。
よくあるアルペジオ奏法にナチュラルハーモニクスを入れる使い方ですが、コードフォームからハーモニクスポイントに触れるまでの動作を素早く正確に行う必要があります。
ギターのナチュラルハーモニクスが上手くできない時に見直すポイント
ギターのナチュラルハーモニクスでうまくできない時に陥りがちな原因がいくつかあります。
ナチュラルーハーモニクスの音程がずれる
ナチュラルハーモニクスは、オクターブチューニングが狂っていると目的の音程からズレてしまいます。
開放弦の実音と12フレットのナチュラルハーモニクスの音階がズレている場合は、オクターブチューニングを正確に調整しましょう。
ナチュラルハーモニクスが鳴りづらい
ナチュラルハーモニクスが鳴りづらいときは、弦高が高すぎる場合が考えられます。
また、ネックが過度に順反りや逆反りになっていてもナチュラルハーモニクスは鳴りづらくなりますので、そのいずれかが原因になっている場合はギターのメンテナンスしましょう。
まとめ
ギターのナチュラルハーモニクスのやり方についてを解説してきましたが、いかがだったでしょうか。
ナチュラルハーモニクスは使い方次第で様々な応用ができますし、ナチュラルハーモニクスを使いたいがために楽曲のキーに合わせてチューニングを変えるということまであるほどです。
ギターの演奏の幅を広げることができますので、ぜひチャレンジしてみてください。
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