ギターでシンセサウンドを奏でることができるギターシンセサイザーは、その他エフェクターとして分類されるエフェクターです。
現代では技術の発達により様々なメーカーから多種多様な特徴や機能を持つエフェクターが販売されているため、選択肢が広く自分の求めている理想のサウンドはあるものの選び方に悩むことも多いかと思います。
そこで今回は、ギターエフェクターのギターシンセサイザーの使い方について解説していき、おすすめの人気機種や定番機種などを厳選してご紹介していきます。
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目次
ギターエフェクターのギターシンセサイザーとは
ギターの「ギターシンセサイザー(GUITAR SYNTHESIZER)」とは、シンセサイザーのような音をシュミレーションしたエフェクターを意味します。
従来はシンセサイザーを駆動するコントローラーデバイスとしてギターを使う方式、もしくは専用ピックアップなどをギターに取り付けるのが主流でした。
しかし、現代は信号処理技術の発達によりギターの弦振動を音程情報と音量情報に変換してエフェクターに送り、そのデータに対して様々な加工を付加してスピーカーから音を出力する仕組みになりました。
そのため、一般的なエレキギターに標準タイプのシールドをエフェクターに接続するだけで、エレキギターを使ってシンセサウンドを再現することができます。
ギターエフェクターのギターシンセサイザーの接続順
ギターエフェクターのギターシンセサイザーをつなぐ順番は、ハーモニー系エフェクターと同様の位置に配置するのが一般的です。
ダイナミクス系エフェクターや歪み系エフェクターよりも前段に接続するほうが、ギターの弦振動を正確に読み取りやすいため、ギターシンセサイザーの効果を最大限発揮しやすくなります。
ギターエフェクターのギターシンセサイザーの設定方法
ギターシンセサイザーはエフェクターによってはつまみがたくさんある機種もありますが、基本な設定は「LEVEL/RATE/DEPTH/TYPE」の4つのつまみでコントロールします。
ギターシンセサイザーの「LEVEL(レベル)」つまみ
ギターシンセサイザーの「LEVEL(レベル)」は、原音とエフェクト音の音量バランスを調節するためのつまみです。
また、「E.LEVEL(エフェクトレベル)」や「FX LEVEL(エフェクトレベル)」のほか、「DIRECT(ダイレクト)」「BLEND(ブレンド)」、「MIX(ミックス)」と表記されていることもあります。
つまみを右に回せばエフェクト音の音量が上がり、左に回せばエフェクト音の音量が下がります。
ギターシンセサイザーの「RATE(レイト)」つまみ
ギターシンセサイザーの「RATE(レイト)」は、波形が変化する周期の速さを調整するためのつまみです。
また、「SPEED(スピード)」と表記されていることもあります。
つまみを右に回せば波形が変化する周期の速さは速くなり、左に回せば波形が変化する周期の速さは遅くなります。
ギターシンセサイザーの「DEPTH(デプス)」つまみ
ギターシンセサイザーの「DEPTH(デプス)」は、波形が変化する幅を調整するためのつまみです。
また、「WIDTH(ウィドゥス)」と表記されていることもあります。
つまみを右に回せば波形が変化する幅は広がり、左に回せば波形が変化する幅は狭くなります。
ギターシンセサイザーの「TYPE(タイプ)」つまみ
ギターシンセサイザーの「TYPE(タイプ)」は、シンセサウンドの種類を選択するためのつまみです。
本来のシンセサウンドは、
- OSC(オシレーター):波形の形を調整するつまみ
- MODULATION(モジュレーション):音の揺れを調整するつまみ
- ENVELOPE(エンベロープ):音程や音量など変化を調整するつまみ
- LFO(エルエフフォー):波形が変化する波を調整するつまみ
- FILTER(フィルター):周波数帯域をカットするつまみ
- OCTAVE(オクターブ):オクターブ上や下などを追加するつまみ
など、非常にたくさんのつまみを調整して音作りを行います。
エフェクターによってはつまみがたくさんある機種もありますが、ギターシンセサイザーではあらかじめ基本となるプリセットから選ぶことができるようになっている場合が多いです。
ギターエフェクターのギターシンセサイザーの使い方
ギターシンセサイザーは目的に合わせて幅広い使い方ができるエフェクターの一つです。
ギタリストによっては目的に合わせてギターシンセサイザーの使い方はいくつかあるため、代表的なギターシンセサイザーの使い方をご紹介していきます。
ギターシンセサイザーをバッキングやリードで使用する使い方
ギターシンセサイザーでバッキングやリードで使用する使い方です。
バッキングギターであればサウンドの広がり感や空気感を付与する柔らかく広大な音色の「パット系」のほか、オーケストラの弦楽器をシミュレーションした「ストリングス系」などが有名です。
また、エレクトロサウンドであればアルペジエイターなどを使った予めプログラムされたパターンを繰り返す「sequence(シーケンス)」などもよく使われています。
リードギターであれば太く旋律的な要素を担当する音色の「シンセリード系」のほか、パイプオルガンをシミュレーションした「オルガン系」などが有名です。
ギターシンセサイザーを飛び道具で使用する使い方
ギターシンセサイザーを飛び道具で使用する使い方です。
ギターで和楽器である「箏」や「三味線」を演奏したり、パーカッションであるドラムなどの打楽器を演奏したり、鐘の音を鳴らすこともできたりします。
さらにシミュレーションした様々な音色を加工することにより、かなり特殊なサウンドを奏でることができるため、アイデア次第ではライブ演奏やパフォーマンスなどにおける創造性を無限に広げてくれます。
ギターエフェクターのギターシンセサイザーのおすすめ
ギターエフェクターのギターシンセサイザーのなかでもすすめの人気機種や定番機種、名機などを厳選してご紹介していきます。
BOSS SY-1 Synthesizer
ギターとベースのどちらにも使える本格的なポリフォニック・ギター・シンセサイザーの現行モデルです。
専用ピックアップを必要としない革新的なシンセマシンであり、11種のバリエーションと11種のサウンドスタイルの合計121種の豊富な音色から、好みのシンセサウンドを選択することができます。
また、センドリターン端子やエクスぺレッション端子も備えているため、拡張性や汎用性が高いのも魅力です。
BOSS SY-300 Guitar Synthesizer
専用ピックアップを必要とせず、標準ケーブルの接続のみで使用可能な革新的なギターシンセです。
最先端技術によりレイテンシーがほとんどなく、和音入力にも対応しているほか、ギターの細かい演奏表現もダイレクトに反映する今までにない高い表現力が魅力です。
また、自在に組み合わせて徹底的にこだわったサウンドメイクができる3系統のオシレーターと4系統のエフェクトを搭載しているため、ギタリストの夢を実現したモデルと言っても過言ではないでしょうか。
「BOSS SY-300 Guitar Synthesizer」の6倍もの処理能力をもった最新モデルの「BOSS SY-1000 Guitar Synthesizer」や、小さな筐体に収めた下位モデルの「BOSS SY-200 Guitar Synthesizer」もおすすめです。
MOOER E7
ポリフォニックに対応したコンパクトなギター用シンセサイザーです。
7種類のシンセサウンドを内蔵しており、「ATACK/HIGH CUT/LOW CUT/SPEED/MIX」コントロールにより幅広いサウンドメイクを可能にしているほか、プリセットを7つまで保存することができます。
また、本機はUSBでパソコンと接続することでファームウェアアップデートを行えるため、非常にコストパフォーマンスが高い1台です。
Electro Harmonix HOG2
和音も正確に発音するポリフォニック・ギターシンセサイザー「HOG」の進化版です。
同時に複数のオクターブ音とハーモニー音を生成するハーモニック・オクターブ・ジェネレーターであり、単音はもちろん和音にも対応しているため、トラッキングの精度も高いのが魅力です。
また、原音に対して10のハーモニー音やオクターブ音を作り出し、さらに7つのエクスプレッションモードでコントロールすることもできるため、音作りの幅がとても広いのが特徴です。
Electro Harmonix MICRO SYNTHESIZER
ヴィンテージのアナログシンセサウンドを得ることができるギターシンセサイザーです。
現在はコンパクトなXOシリーズの筐体にモデルチェンジしてセンシティビティも向上しており、初期ムーグ・シンセサイザーのようなヴィンテージ・アナログシンセ・サウンドを得ることができるのが特徴です。
また、10個のスライダーを操作することでパーカッシブなサウンド、バイオリン奏法のようなリバースサウンド、リングモジュレーターなど多彩なシンセサウンドをコントロールできます。
Electro Harmonix Synth9
ギターやベースを9種類の歴史的名機ヴィンテージ・シンセサイザーのサウンドに変換するギターシンセサイザーです。
現在では入手が難しい名機のビンテージ・シンセサイザーのサウンドをエミュレートしたモデルとなっており、ギターやベースの音を簡単にシンセサウンドへと変換することができます。
また、原音とエフェクト音の音量を個別に調整することができるため、エフェクト音のみのサウンドはもちろん、原音とエフェクト音のの同時出力によって、芯のあるサウンドを実現できます。
ELECTRO-HARMONIX Superego
弾いた音をサンプリングしてシンセサイザーのようなサウンドを生むエフェクターです。
サンプリングした音を合成して無限のサステインを生み出したり、サウンドを鳴ったまま音を重ねて演奏するなどのトリッキーな使い方も可能です。
また、ラッチ/モメンタリー/オートの3つのモードを搭載しており、踏む度に音を重ねたり、踏んでいる間だけ音をフリーズさせたり、自動で単音やコードを探知して音をフリーズさせるなど使い方は無限大です。
さらに11種類のエフェクトセクションを追加された「ELECTRO-HARMONIX SUPEREGO PLUS」もおすすめです。
Subdecay M3
1978年に発売され世界的に人気となったKORGのセミモジュラーシンセ「KORG MS-20」をベースとしたモノフォニックギターシンセペダルです。
3つのアナログオシレーターはデジタル制御されており、ギターやベースなど様々な楽器と接続して「ストリングス/アナログベース/ベルトーン」など様々なアナログシンセトーンを作りだすことができます。
また、11種類のアルゴリズムと各モード個別のパラメータを操作することができ、フィルターや2つのエンベロープジェネレーター、LFO、ポルタメントを操作して必要な音色に素早くアクセスすることができます。
まとめ
ギターエフェクターのギターシンセサイザーのおすすめについてご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。
エレクトロサウンドをギターで演奏することができるようになったことで表現力は広がり、アイデア次第ではライブ演奏やパフォーマンスなどにおける創造性を無限に広げてくれます。
是非、自分の求めているサウンドを実現できるギターシンセサイザーを見つけていきましょう。
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