ギターのハイブリッドピッキングは弦飛びアルペジオや速弾きなどテクニカルフレーズでも使われることが多くなりましたよね。
チキンピッキングもハイブリッドピッキングのテクニックの1つと言えますが、ピック弾きと指弾きが合わさったピッキングは慣れるまでに時間がかかるので、難しいと感じている方も多いのではないでしょうか。
今回はハイブリッドピッキング(チキンピッキング)のやり方やコツ、練習フレーズなどを解説していき、ハイブリッドピッキング(チキンピッキング)がうまくできない時に陥りやすい症状などの注意点をまとめました。
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目次
ギターのハイブリッドピッキング(チキンピッキング)とは
ギターのハイブリッドピッキングとは、ピックを親指と人差し指で持った状態で、空いた指(中指、薬指、小指)を使ってピッキングするテクニックです。
ピックだけを使用したピッキングだけでなく、フィンガーピッキングも併用したピッキングスタイルであることから、英語で「掛け合わせによって生み出される」という意味の「ハイブリッド(Hybrid)」という名前がつきました。
ハイブリッドピッキングは、単音弾きの速い弦飛びフレーズで無駄なピッキングの動きを軽減したり、単音と複音を組み合わせたりなど組み合わせたり、違ったニュアンスのトーンを得ることができます。
また、チキンピッキングはカントリー系の曲を演奏するギタリストがよく使用していた奏法で、ピック以外の指を使って弦を弾く際に、力強く弦を弾くことによって「クワッ(パチン)」という音をさせるピッキングです。
つまり、ハイブリッドピッキングの中の一つのテクニックとしてチキンピッキングがあるということになります。
ギターのハイブリッドピッキング(チキンピッキング)の右手のやり方
ギターのハイブリッドピッキング(チキンピッキング)の右手のやり方のコツは大きく3つあります。
ピッキングフォームはフラットピッキングと同じ
ハイブリッドピッキングは通常のフラットピッキングと組み合わせて使用するので、ピッキングフォームはフラットピッキングと同じです。
手首と腕はまっすぐに揃えて、弦に対しての角度はあまり極端にならないように、30度~45度ぐらいを目安が理想的です。
そこから、指を少し曲げておき、指でも自然にピッキングができるようなポジションを探していきましょう。
指でピッキングする場合はフィンガーピッキングと同じ
指でピッキングする場合はフィンガーピッキングと同じです。
弦に指を当てる場所は指の先端ですが、その中でも指の中心から親指寄りの部分を弦に当てるのが基本になります。
弦に当てる指の皮膚と爪の割合を意識することでトーンコントロールをすることができ、指の皮膚だけで弾くとマイルドな音になり、爪が当たる割合を多くすることで明るく輪郭があるトレブリーなトーンになります。
また、チキンピッキングのように「パチン」というスラップ音のような音でアクセントをつけたい場合は、弦を掴むように引っ張る(プル)ことで「パチン」という音を得ることができます。
指でピッキングする力の入れ方は2種類
指でピッキングする力の入れ方は2種類あります。
こちらもフィンガーピッキングの基本と同様ですが、手首(または腕)を少し上方向に動かすようにして弾く力の入れ方です。
次に、指を曲げる力を利用して弾く力の入れ方ですが、指を少し曲げたまま拳を「ギュッ」と握るような動きをすると自然とピッキングすることができます。
フレーズによって多少異なりますが、基本的には上方向に動かす力と指を曲げる力の両方を使いますが、力を入れるバランス的には上方向が2~3割、曲げる力が7~8割が基本になります。
ギターのハイブリッドピッキング(チキンピッキング)の練習フレーズ
ギターのハイブリッドピッキングの練習フレーズを教則本などにも掲載されているような簡単なパターンでいくつかご用意しました。
フィンガーピッキングでソロギターやカントリー系の曲を演奏しているギタリストでも、ピックを持ったままハイブリッドピッキングするのはなかなか苦戦するかもしれません。
ピックを持ったまま自然に指で弾けるポジションを試行削除して、徐々にハイブリッドピッキングの動きに慣れていきましょう。
練習フレーズ1:ハイブリッドピッキングでアルペジオにメロディーを奏でる
ハイブリッドピッキングでアルペジオにメロディーを奏でる練習フレーズです。
コード進行は「C→G→Am→Em」で単純ですが、ルート音はピックで弾き、高音弦を中指で狙った弦のみを弾くようにすることで、普通のアルペジオなのにメロディーが生まれるようなフレーズになっています。
このハイブリッドピッキングができるようになると、通常のコードをなぞるだけのアルペジオ奏法だけではなく、アルペジオのなかにメロディーを作ることができます。
練習フレーズ2:ハイブリッドピッキングで弾くリフ
次にハイブリッドピッキングで弾くリフの練習フレーズです。
Emコード一発のリフですが、ハイブリッドピッキングの特性を活かしたフレージングになっており、最後の4小節目のフレーズは速弾きなどでも使われるフレーズの一部を組み合わせています。
また、チキンピッキングのように中指でプルをする場所を決めてアクセントをつけると、よりフレーズが際立ちます。
練習フレーズ3:単音と複音を組み合わせたハイブリッドピッキング
単音と複音を組み合わせたハイブリッドピッキングの練習フレーズです。
キーはAメジャーでDM7コードとAコードのみを使ったコード進行ですが、単音と複音を組み合わせることでメリハリのついたフレーズになっています。
複音は中指と薬指を同時に弾きますが、指の皮膚と爪を与える割合でトーンをおコントロールしたり、ダイナミクスを意識してコントロールすることで印象がかなり変わります。
ギターのハイブリッドピッキング(チキンピッキング)がうまくできない時に見直すポイント
ギターのハイブリッドピッキング(チキンピッキング)が上手くできない時に陥りがちなポイントをいくつかまとめました。
フィンガーピッキング時に指が上手く動かない
フィンガーピッキング時に指が上手く動かない場合は、ピックを持つ右手の親指と人差し指とそれ以外の指が分離できていないことが考えられます。
これはピッキングの動作が身体に慣れるまで練習するしかないですが、おすすめの練習方法としては「人差し指を使わずにフィンガーピッキングでフレーズを弾いてみる」ことです。
人差し指を使わずにフィンガーピッキングでフレーズが自然に弾けるようになった後は、親指と人差し指をくっつけて同じようにフレーズを弾いてみます。
親指と人差し指をくっつけて同じようにフレーズを自然に弾けるようになれば、そのあとは親指と人差し指の間にピックを持って同じようにフレーズを弾いてみます。
段階的にピッキングの感覚を体に覚えこませることで、自然とその動作に身体が慣れていきます、
チキンピッキングのように「パチン」とした音が出せない
チキンピッキングのように「パチン」とした音が出せない場合は、指で弦を引っ張る角度が原因になっている場合が多いです。
スラップ音のように「パチン」となる原理は、弦を指で引っ張り離すことによって、弦がフレットに当たった時の音が「パチン」という音の正体です。
そのため、チキンピッキングの音を出したいときは、弦に引っかける指を少し深くすることで「パチン」という音を出すことができます。
まとめ
ギターのハイブリッドピッキング(チキンピッキング)について解説してきましたが、いかがだったでしょうか。
ハイブリッドピッキングが弾けるようになると、ピッキングだけでは追いつかないような弦飛びアルペジオや速弾きなど、さまざまなテクニカルフレーズに対応することができます。
現代では幅広いギターフレーズが生み出されていますので、ぜひ、ハイブリッドピッキングにチャレンジしてください。
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