ギターのタッピング演奏が派生したテクニックであるエイトフィンガー奏法はかっこいいですよね。
エイトフィンガー奏法はエレキギターだけでなくアコースティックギター(アコギ)やベースなどにも幅広く使われています。
ギターの演奏方法のなかでも非常に高度なテクニックでもありますが、近代ではエイトフィンガー奏法を駆使した独創的なフレーズを組み合わせた楽曲も徐々に増えてきました。
そこで今回は、エイトフィンガー奏法のやり方からコツ、練習フレーズについて解説していき、エイトフィンガー奏法が上手くできない時に陥りやすい症状などの注意点をまとめました。
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目次
ギターのエイトフィンガー奏法とは
ギターのエイトフィンガー奏法とは、「左手の小指から人差し指の4本」と「右手の小指から人差し指の4本」の合計8本の指を駆使したタッピング奏法です。
右手と左手の8本の指を使ったタッピング奏法であることから、「エイトフィンガータッピング」や「8フィンガー奏法」とも呼ばれています。
通常のタッピング奏法とは異なり、右手の小指から人差し指の4本をフレットに対して平行に構えてタッピングを行い、レガートフレーズのような滑らかな音色が特徴です。
エイトフィンガー奏法の創始者は、ナイト・レンジャーやマザーズ・アーミーのギタリストとして知られるアメリカのギタリスト「ジェフ・ワトソン(Jeff Watson)」です。
その後は「キコ・ルーレイロ」や「ジョエル・ホークストラ」など様々なギタリストに使用され、現代ではエイト・フィンガー・タッピングを駆使したギタープレイも幅広く生み出されています。
ギターのエイトフィンガー奏法のやり方
ギターのエイトフィンガー奏法のやり方について、いくつかコツをご紹介します。
不要な弦をミュートする
エイトフィンガー奏法は両手を使ってタッピングを行うので、不要な弦をミュートするのが重要になってきます。
基本的に押弦している弦より高音弦側は左手の指の腹で軽く触れてミュートをしておき、押弦している弦より低音弦側はできるだけ触れないようにタッピングしていきます。
しかし、ミュートは完全にできている状態ではないため、演奏中の衝撃がギターに伝わって弦が振動したり、タッピングで弦から指を離した時に開放弦が鳴ってしまったりする場合が多いです。
その場合は、ハンカチやタオルなどの布を使ってヘッド部を縛って弦をミュートする方法もありますが、最近は楽器屋で「フレットラップ」というデザインの良いミュートダンパーを手軽に購入することができます。
エイトフィンガー奏法にで開放弦を使用しない場合は、「フレットラップ」でミュートをすると演奏に集中することができるのでおすすめです。
エイトフィンガー奏法の右手のやり方
エイトフィンガー奏法の右手のやり方は、基本的に右手の小指から人差し指の4本をフレットに対して平行に構えてタッピングを行います。
このときに右手を完全に浮かしてしまうと不安定になり、狙った弦や場所をタッピングしづらくなりますので、親指を指版の上側の側面に沿わせると安定してタッピングをしやすくなります。
また、人差し指・中指・薬指・小指はそれぞれ指の長さが異なりますので、右手の指がなるべく均等になるように構えるのがコツです。
あとは通常のタッピングと同様にできるだけフレットの際をタッピングしていきます。
エイトフィンガー奏法の左手のやり方
エイトフィンガー奏法では右手でタッピングを行いますので、左手は基本的にハンマリングとプリングで音を鳴らします。
左手だけで音をしっかり鳴らす必要があるので、必要最小限の指の動きで適度な強さで鳴らせるように「指の動き」「指の角度」「指のスピード」を意識しましょう。
また、普段ピッキングして音を鳴らす時は、左手は「ピッキングとほぼ同時」か「ピッキングよりほんの少し早めに」押弦している状態です。
しかし、エイトフィンガー奏法では左手だけで音を鳴らす必要があるため、リズムが走らないようにリズムに合わせてハンマリング(またはプリング)を行う意識を持つのがコツです。
ギターのエイトフィンガー奏法の練習フレーズ
ギターのエイトフィンガー奏法の練習フレーズを教則本などにも掲載されているような簡単なパターンでいくつかご用意しました。
楽譜やTAB譜(タブ譜)上でタッピングは「T」という記号で表記されています。
また、コンプレッサーや歪みなどのエフェクターで音作りをしてしまうと簡単にタッピングの音が鳴ってしまいますので、音作りせずに生音で練習することをおすすめします。
練習フレーズ1:8本指を全部使ったクロマチックフレーズ
まずは8本指を全部使ったクロマチックフレーズです。
最初は右手の薬指や小指が自由に動かないことが多いので、右手も左手の運指の練習と同様にクロマチック練習で右手の指を鍛えるのがおすすめです。
また、右手の指が慣れてきたら他の弦でもクロマチック練習をしていき、どの場所でもスムーズに右手の指が動くように強化をしていきます。
右手がハンマリングで音を鳴らせるようになってきたら、反対にプリングで音が鳴らせるように下降していくクロマチックフレーズで練習していくのがおすすめです。
練習フレーズ2:右手タッピングだけで弾くCメジャースケール
次に右手タッピングだけで弾くCメジャースケールの練習フレーズです。
右手のさらなる強化のために、右手のタッピングだけで音を鳴らすことができるようにしていき、右手の運指を鍛えて様々なフレーズに対応するための基礎練習です。
右手だけでフレーズを弾くことができるようになってくれば、様々なエイトフィンガー奏法のフレーズに対応していきやすくなります。
練習フレーズ3:エイトフィンガー奏法で弾くCメジャースケール
次にエイトフィンガー奏法で弾くエイトフィンガー奏法で弾くCメジャースケールです。
こちらのTAB譜ではCメジャースケールの上昇するだけのフレーズになっていますが、まずはハンマリングだけで確実に音を鳴らせるようにできるのが目的です。
左手と右手をそれぞれ独立してタッピングできるようにしていきましょう。
練習フレーズ4:エイトフィンガー奏法の応用フレーズ
最後にエイトフィンガー奏法の応用フレーズです。
コードは「DM7→E7→F#m7→F#m7」という王道のコード進行ですが、エイトフィンガー奏法でAメジャースケールの音を取り入れることによっておしゃれなフレーズになっています。
また、タッピングのみで音を出しているので通常のピッキングと得られるトーンが異なり、レガートフレーズのように落ち着いた丸いトーンが特徴的なフレーズです。
ギターのエイトフィンガー奏法がうまくできない時に見直すポイント
ギターのエイトフィンガー奏法でうまくできない時に陥りがちな原因がいくつかあります。
右手の指が上手く動かない
右手の指が上手く動かない場合は、ひたすら右手の練習をするしかありません。
最初にギターを弾くときに左手が自由に動かないのと同様で、右手も反復練習して運指を強化していく必要があります。
効率的に右手を強化する方法は左手と同様でクロマチック練習から始めるのがおすすめです。
まとめ
ギターのエイトフィンガー奏法の弾き方と基礎練習の方法について解説してきましたが、いかがだったでしょうか。
ギターのエイトフィンガー奏法ができるようになると、音程差のある独特のフレーズを奏でることができ、クリーンサウンドやディレイなどと組み合わせた幻想的な演奏をすることができます。
ギターの演奏の幅を広げることができますので、ぜひチャレンジしてみてください。
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