Waves Renaissance DeEsser(RDeEsser)は、ミックスやマスタリング作業で定番と言っても過言ではないプラグインディエッサーです。
ディエッサーは基本的にボーカルに使用されることが多いですが、金物などの高音楽器などの耳障りな音を削るためにも使用されています。
しかし、DTMerでWaves Renaissance DeEsserをうまく使いこなせていないと悩んでいる方もいるかと思い、使い方についてご紹介していきます。
目次
Waves Renaissance DeEsserとは
Waves Renaissance DeEsserとは、Waves全製品でも屈指の人気を誇るRenaissanceシリーズのディエッサーで「RDeEsser」とも呼ばれています。
位相補正クロスオーバーとダイナミック検知機能を搭載しており、シンプル操作で的確に歯摩音を捉えるため、ナチュラルなサウンドを得られるスムーズなディエッシング効果を可能にします。
男性女性の音声を問わず、過度な“ess” や“shh”音、もしくはシビランス(歯摩音)はもちろん、ボーカル以外の楽器にも使用することができます。
FEATURES/特徴
- トラック処理、マスタリング、ライブサウンド、放送に最適
- Adaptive ThresholdとAjustable Gain Reduction
- 位相を補正するクロスオーバー
- AudioとSide-chainモニタリングを切替可能
- 倍精度ビット解像度処理
- Mono/Stereoコンポーネント
Waves Renaissance DeEsser基本操作
Waves Renaissance DeEsserの基本操作を解説していきます。
Frequency(フリーケンシー)
Frequency(フリーケンシー)は、圧縮する周波数(Hz)を数値で指定することができ、数値は「2,000~16,000」までの範囲で可変する事ができます。
Thresh(スレッショルド)
Thresh(スレッショルド)は、ディエッサーが作動する音量レベルを設定します。(Threshのフェーダーを超えた音量にだけディエッサーがかかります。)
Range(レンジ)
Range(レンジ)はコンプレッサーでいうRatio(レシオ)の役割で、Thresh(スレッショルド)で設定した数値を超えた場合にどれだけ圧縮するかを設定します。
Output(アウトプット)
Output(アウトプット)は、ディエッサーが作動した後の出力信号であるアウトプットレベル(音量)を表します。
Band Type(バンドタイプ)
Band Typeボタンを押すことで、バンドマーカーの「BandPass(バンドパス)」「HighPass(ハイパス)」を切り替えることができます。
BandPass(バンドパス)
BandPass(バンドパス)は、設定した周波数のみにディエッサーを適用することができます。
HighPass(ハイパス)
HighPass(ハイパス)は、設定している周波数以上によりも高い周波数をすべてディエッサーを適用することができます。
Mode(モード)
Modeボタンを押すことで、バンドマーカーの「Split(スプリット)」「wide(ワイド)」を切り替えることができます。
Split(スプリット)
Split(スプリット)は、設定した周波数のみにディエッサーの効果を適用することができます。
wideBand(ワイドバンド)
wideBand(ワイドバンドは、一般的なコンプレッサーと同様に、低域から高域までコンプレッサーの効果を適用することができます。
そのため、通常のディエッサーとして使用する場合は、Split(スプリット)を使用します。
Audio(オーディオ)/SideChain(サイドチェイン)
ボタンを押すことで「Audio(オーディオ)」と「SideChain(サイドチェイン)」を切り替えることができます。
ボタンが点灯していれば「Audio(オーディオ)」、消灯していれば「SideChain(サイドチェイン)」の状態で、「SideChain(サイドチェイン)」ではディエッサーでカットした音のみ視聴することができます。
Waves Renaissance DeEsserの使い方
実際に私が使用しているWaves Renaissance DeEsserのパラメーターをいくつか紹介します。
Vocal(ボーカル)処理
そもそもディエッサーは「エスを消す」という意味です。
サ行「さ・し・す・せ・そ」やザ行「ざ・じ・ず・ぜ・ぞ」の発音の時、発生する瞬間に強い息が吹きかかりますが、この耳障りな音を歯擦音といいます。
その他にも「ち」や「つ」も歯擦音が出ますが、人によっては「き」や「く」などのカ行も弱いですが歯擦音が出ます。
ボーカル処理ではこれらの耳障りな音を抑えていきます。
パラメーター
- Frequency(フリーケンシー):3400Hz/4700Hz/5400Hz/6700Hz/8000Hz/10000Hz/12000Hz
- Thresh(スレッショルド):トラックの音量によってリダクションが-3dbあたりになるよう調整
- Range(レンジ):-10
- Band Type(バンドタイプ):BandPass
- Mode(モード):Split
私はアナライザーを使用するので、目視で周波数を確認することが多いですが、そうでない方は上記の周波数前後で探してみるとよいでしょう。
耳障りに聴こえる周波数は音程によっても変わるため、上記はあくまで目安ぐらいで考えておいてください。
まとめ
Waves Renaissance DeEsserの使い方について解説してきましたが、いかがだったでしょうか。
耳障りな音をイコライザーでカットしてしまうと音に影響を与えてしまいますし、コンプレッサーでは過剰にリダクションしてしまったりしてしまいます。
ディエッサーをうまく活用することで、音質を損なわずに耳障りな音のみをカットできるので、ぜひ活用してみてください。