ギターの基礎練習の方法で、クロマチック練習という言葉を聞いたことはあるが、どんな練習方法か良くわからないという人も多いのではないでしょうか。
クロマチック練習はクロマチックスケールを利用した機械的なフレーズで、左手の運指や右手のピッキングの基礎を身に着ける方法で、ギター初心者から上級者に至るまで取り組まれている練習方法の一つです。
今回は、ギターのクロマチック練習のコツや基礎練習の方法、おすすめの基礎練習フレーズについてまとめました。
目次
ギターのクロマチック練習とは
ギターなど音楽の専門用語で使われるchromatic(クロマチック/クロマティック)は、「半音の」「半音階の」という意味になります。(例:ド・ド#・レ・レ#と半音階になっている)
反対によく使われる用語のdiatonic(ダイアトニック/ディアトニック)は、「全音階の」という意味があります。(例:ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ドと音階になっている)
「クロマチック練習」はクロマチックスケールを利用して半音ずつ上昇・下降する機械的なフレーズで基礎的な運指やピッキングを鍛える練習方法です。
ギターのクロマチック練習の右手の効果
クロマチック練習では、8分音符や16分音符などが中心の機会的なフレーズだからこそ右手を鍛えられ、様々な効果が期待できます。
クロマチック練習の右手の効果
- 安定したリズムでピッキングすることができるようになる
- 弦飛びなどでも狙った弦をピッキングすることができるようになる
- 強弱をアクセントを自在にコントロールすることができる
「右手を自在にコントロールすることができる」上手いギタリストになるためにも、地道なクロマチック練習は欠かせないトレーニングになります。
ギターのクロマチック練習の左手の効果
クロマチック練習では、様々な運指パターンを組み合わせることによって左手を鍛えられ、様々な効果を期待です。
クロマチック練習の左手の効果
- 指を一本一本独立して動かせることができるようになる
- 指のバタつきを抑えられ、速いフレーズも弾けるようになれる
- 右手と左手のコンビネーションが向上する
「左手を自在にコントロールすることができる」上手いギタリストになるためにも、機械的な様々なフレーズパターンで練習することによって、指のバタつきを押さえたり、薬指や小指を思い通りに動かせるようになるなど運指を鍛えることができます。
ギターのクロマチック練習の右手のコツ
ギターのクロマチック練習をするときの右手のコツは大きく2つあります。
正しいオルタネイトピッキングを意識する
クロマチック練習では基本的に8分音符や16分音符のフレーズでオルタネイトピッキングで弾きます。
ダウンピッキングの時にピックが弦に対して垂直に当てるように意識しましょう。
同様にアップピッキングの時にピックが弦に対して垂直に当たっているか意識することが大切です。
また、ピックを持っている右手に「力が入る過ぎていないか」や「ピックを深く持ちすぎていないか」などオルタネイトピッキングの基本を確認することが大切です。
右手の支点を作ることを意識する
右手に支点を作ることで右手の安定性が増し、ピッキングを思い通りにコントロールしやすくなりますが、一番オーソドックスなのは「小指や薬指をピックガードに固定してピッキングする」ことです。
画像のように6弦をピッキングしている時の、右手の薬指と小指をピックガードに固定しているフォームです。
同様に画像では1弦をピッキングしている時の、右手の薬指と小指をピックガードに固定しているフォームです。
また、ギタリストによっては右手の支点を作るときに「薬指と小指」を使わずに右手は浮かせて「右手の手首をブリッジに固定する」方法もありますが、個人的には「薬指と小指を固定する」フォームをおすすめします。
ギターのクロマチック練習の左手のコツ
ギターのクロマチック練習をするときの左手のコツは大きく2つあります。
左手の指を離す(指を押さえる)タイミングを意識する
まずは、左手の指を離す(指を押さえる)タイミングを意識することが大切な理由は2つあります。
左手の指を離す(押さえる)タイミングが早すぎると、その時点で「音が切れる」ことになりますので、しっかりと「音を伸ばす」ように意識しましょう。
画像は人差し指で弦を押さえたあと、次は薬指を押さえる時の様子ですが、いつでも押さえられるように薬指は離れすぎない位置にあることがわかるかと思います。
薬指はすぐに弦を押さえられる状態から右手のピッキングに合わせて薬指で弦を押さえることで、「音が切れる」ことを最小に抑えられます。
左手の指は必要最低限しか動かさないことを意識する
ギター初心者にありがちな例としては「指がバタついている」と言われることがよくあると思いますが、左手の指は必要最低限しか動かさないことを意識することが大切です。
画像のように左手の指はいつでも弦を押さえられるように「弦を押さえる指以外も弦から離れすぎないようにする」ことを意識すると、左が一本一本独立して動かせるようになっていきます。
ギターのクロマチック練習の基礎練習方法
ギターのクロマチック練習は様々なフレーズパターンがありますが、ここではギター初心者でも始められるおすすめ練習フレーズを4つご紹介します。
押さえる指は「1の場合は人差し指・2の場合は中指・3の場合は薬指・4の場合は小指」で押さえるようにしましょう。
メトロノームのテンポは、速すぎて正しいフォームが崩れてしまわないようにBPM80前後ぐらいから初めていき、徐々に速度を上げていくようにしましょう。
練習フレーズ1:半音ずつ上昇・下降する指慣らしパターン
まずは基本的な上昇と下降をする指慣らしにおすすめの練習フレーズです。
画像では1弦から4弦までの下降すると4弦から1弦に向かって上昇するフレーズで作成していますが、ギターの場合は6弦から1弦まで下降してから2弦・3弦・4弦・5弦・6弦と上昇するようにしても大丈夫です。
練習フレーズ2:押さえる指の順番を入れ替える運指パターン
次に指の押さえる順番を入れ替える指のおすすめの練習フレーズです。
画像では下降フレーズは「人差し指・薬指・中指・小指」、上昇フレーズは「小指・中指・薬指・人差し指」という順番になっていますが、押さえる指の順番は様々なパターンがあります。
例えば、下降フレーズでも「人差し指・小指・中指・薬指」というパターンなどもありますので、様々な運指パターンを組み合わせて取り組んでみましょう。
練習フレーズ3:弦飛びするスキッピングパターン
次は少し難しいフレーズになりますが、弦飛びするスキッピングのおすすめの練習フレーズです。
運指パターンは「練習フレーズ1」ですが、6弦・4弦・5弦・3弦と弦を飛んでいきますので、右手も狙った弦をしっかりとオルタネイトピッキングできえるように意識しましょう。
練習フレーズ4:押さえる弦が全て異なるパターン
最後にギター初心者には難しいフレーズになりますが、押さえる弦が全て異なる右手と左手を同時に鍛えるおすすめの練習フレーズです。
運指パターンは「練習フレーズ1」ですが、6弦を人差し指・5弦を中指・4弦を薬指・3弦を小指で押さえていくため、左手の運指をより鍛えることができます。
また、弾く弦が毎回異なるため、右手のピッキングも意識して狙った弦を弾けるようになり、右手と左手のシンクロを意識することで同時に鍛えることができます。
ギターのクロマチック練習がうまくできない時に見直すポイント
ギターのクロマチック練習がうまくできない時に陥りがちなポイントをいくつかまとめました。
指がバタついて思ったように動かせない
指がバタついて思ったように動かせない場合は、「左手の指の押さえ方」と「左手の指の支点の作り方」に問題がある場合が多いです。
画像のように人差し指で弦を押さえていた後に薬指で弦を押さえた時に、薬指以外の中指と小指が弦から大きく離れてしまっている状態です。
薬指が弦に対して垂直に押さえられていないと、弦を押さえる指に力が入りすぎて他の指まで影響がでてしまっていますので、指は弦に対して垂直に押さえるということを意識しましょう。
また、左手に支点を作れていない状態だからこそ、指が弦から大きく離れていきやすい場合もありますので、「人差し指の側面をギターのネックの下部に添えて支点を作る」ことを意識しましょう。
右手が狙った弦を上手くピッキングできない
右手が狙った弦を上手くピッキングできない時は、右手の支点がうまく作れていない場合が多いです。
画像のように小指と薬指に力が入りすぎて「ピーン」と真っすぐになって柔軟性がない状態になってしまっていないか確認をしてみましょう。
画像のように薬指と小指は少し曲がっているくらいにリラックスした状態にすることで、右手の手のひらに空間を作ることを意識することが大切です。
この状態から薬指と小指の曲げる角度をコントロールすることで、1弦や6弦などピッキングする距離を調整することができ、狙った弦をピッキングしやすくなります。
まとめ
ギターのクロマチック練習の基礎練習方法について解説してきましたが、いかがだったでしょうか。
ギターは上手くなりたいとは思っていても一朝一夕で技術が身につくものではありませんが、少なくとも上手いギタリストや速弾きができる超絶ギタリストも、こうした地道な練習をにやり続けて、基礎を大切にしているからこそ上達しています。
右手と左手が思ったようにコントロールできるようになると、今まで弾けなかったフレーズもどんどん弾けるようになっていきますので、地道に練習を重ねていきましょう。